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耳に響く解放の音
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駒野の後をついて、エレベータに乗り、4階へと連れられた。
―― コンコン
専務室と書かれたの扉を、駒野が叩いた。
「あぁ。入れ」
音に反応するように、直ぐに声が返ってくる。
「失礼します」
扉を開いた駒野は、僕の背に手を当て、中へと押しやった。
アンティークの大きな机の奥に、革張りの椅子。
そこに、ゆったりと腰を据えている帝斗の姿。
机の前には、接客用であろうガラスのローテーブルを挟むようにと2人掛けのソファーが2脚、配置されていた。
僕の後ろから部屋に一歩足を踏み入れた駒野が口を開く。
「オレは戻ります。…部屋、わかるよね?」
前半は帝斗に、後半は僕へと向けられた声。
「あぁ」
小さく声を放ち、ちらりと瞳を向ける帝斗と頷く僕に、駒野は軽く頭を下げ、専務室を後にした。
「霙。そこに座れ」
2人掛けのソファーに座るように僕に指示を出した帝斗は、机の引き出しから何かを取り、こちらへと足を向けた。
僕は、素直に示されたソファーへと腰を下ろした。
向かいのソファーに座るのだろうと思っていた帝斗は、ガラステーブルに手を掛けた。
ぐっと押されたテーブルが僕の前から退く。
僕の前に、すっとしゃがみ込んだ帝斗が口を開いた。
「足、触るぞ」
言葉と共に、革手袋の感触が僕の右足に触れる。
声を掛けられたコトに、僕は大人しく足を預ける。
「治験者は本館の地下…、なんじゃないの?」
疑問に思ったコトを、そのまま帝斗へと投げかけた。
言葉に帝斗は、僕を見上げる。
何が言いたいのか的確に言葉にしろと言うように、鋭い瞳を向けた。
「駒野くんは、普段は地下の大部屋だって言ってたから。あんな豪華な…、社員寮に入れられても……」
―― カシャン
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