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「はい。麦茶」
「ありがとうございます…」
一気に飲み干すと少し落ち着いた。
「祐くん、話があるんだけど…大丈夫?」
「はい…大丈夫です」
どんな話かとドキドキした。
「今祐君は一人暮らしだろう?今回みたいに倒れたら助けられる人が居ない。学校なら友達がいるから大丈夫だろうけど家ではそうも行かない。だから提案があるんだ。」
「提案…ですか?」
「そう、この家に住まない?」
一瞬頭がフリーズした。
……住む?橋谷さんと?この家に?
「どうかな」
彼の声かけで我に返った。
「住むって……一緒にですか?」
「そう、一緒に。ここでなら僕の目が届くから君が怖い思いをすることもないし、衣食住、全て僕が補う。」
「で、でも今住んでる家は…」
「病院の先生が出しているんだよね?先生に全て話して、納得してもらう。」
「で、でも!」
「でも?」
勝ち誇ったような顔でこっちを見る橋谷さん。
「う…なんでもないです……確かに一緒に住んだ方がいいかも…」
「良かった。早速明日病院の先生に話に行こう」
「本当に……何から何まで………」
そこまで言って自分が泣いてることに気づいた。
「!?そ、そんなに一緒に暮らすの嫌だった?ごめんね、無理強いはしないよ。祐くんの好きに決めて」
おろおろしている橋谷さんが可笑しくて少し笑ってしまった。
「いえ…違うんですっ……嬉しくて…目覚めてからずっと一人でっ…怖くてっ…」
「……」
無言で近づきそっと抱き締めてくれた。
「大丈夫。大丈夫だから。これからはずっと僕が側にいるから。安心して。ね?」
「はいっ……うぅ…うぁぁぁ」
人の優しさが心に沁みて、暫く橋谷さんの胸のなかで泣いていた。
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