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(なんでこんなことになっちゃったんだろ)
目覚めると白い天井。少し固めのベット。看護師らしき人が俺が目覚めたのに気づくと小走りで部屋を出ていった。
(俺、今までなにしてた?)
頭が痛い。暫くボーッとして目が覚めてくると少しずつ記憶が戻ってきた。
(そっか俺…)
走って家を出たあと朱と奈緒の待ち合わせ場所に着くと、学校へ向かった。
その後は授業中も、休み時間も、ずっとどうやって仲直りしようか考えていた。
そして最終的に、帰りにケーキを買って、そしてブレスレットをお揃いで買って帰って謝ろうと計画をたてた。
でも四時限目が始まり、先生が授業を始めて暫くたった時、俺は当てられ、立った直後に倒れた。らしい。
らしい。というのはお見舞いに来た、朱と奈緒が看護師に状況を説明したらしい。
看護師に聞くと40度越えの熱が出たらしく、今もまだ38度ほどの熱があるらしい。
目覚めたことで保護者、和樹さんに連絡された。めちゃめちゃ止めたけど無駄だった。
暫くして和樹さんが部屋に息を切らして入ってきた。何よりここは6階の病室だ。階段を駆け上がってきたのだろう。
「祐!」
「…………」
「大丈夫?40度越えの熱が出たって……今は下がってるって聞いたけど…」
それでも俺は無言を突き通した。
「………まだ怒ってる?本当にごめんね。反省してる。だから…無視はやめてくれない…?凄く傷つく」
「…別にそこまで怒ってた訳じゃないです」
「じゃ、じゃあなんで…」
「わかんない。俺もなんで無視し続けたのかわからない。」
窓の方を向いて、出来るだけ顔を見られないようにした。
その時病院の先生が入ってきた。その顔には見覚えがあり、今ここにいる病院が、記憶を失ったときにお世話になった先生だと知った。
通りで窓からの景色が似ていた訳だ。
「熱が下がれば退院できます。ですが……一応これを渡しておきましょうか。」
そういって和樹さんに何やら紙袋を渡した。
「……これはなんですか?」
「祐君の熱が上がったときの薬、喘息が起きた場合の処置方法、体に力が入らなくなった時の対応方法などなど…緊急時に備えたマニュアルや薬剤などが入っています。もしもの時はそれを使いなさい。」
「ありがとうございます」
そういって頭を下げた。
「あれ?橋谷さんが来たからかな…熱が平熱くらいに下がってます。」
と看護師が言った。
「じゃ、じゃあ退院できるんですね…?」
「おや……はい、大丈夫ですよ」
そういって先生が少し驚いた顔をしたが直ぐに微笑んだ。
「じゃあ俺帰る支度するので少し待っててください。」
「うん、ゆっくりでいいよ」
そういって支度を始めた。
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