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ガチャンッ、バタバタバタ
玄関のドアが開いて、走ってくる音がする。
「ご主人様…探し回ったんですけどいな………」
「………」
「祐さんっ!」
こっちへ駆け寄ってきたが、俺はそっぽを向いた。
「っ………」
「…………」
和樹さんも誠に気づいて微笑みかけた。
「誠くん、ごめんね。ありがとう」
「いえ…当然のことをしたまでです」
「………誠嫌い」
「ご、ごめんなさい!なんかスイッチ入っちゃって止まんなくて……」
そっぽを向いたまま和樹さんを一段と抱き締める。
「ゆう…お願い、あるんだけ…ど…」
突然耳元で喋られたため、肩がビクッと跳ねてしまった。
「……えっち…したい……」
「……反省したんですか」
「…した…明日まで帰ってこなかったから死のうかと思った……捨てられたのかって思って…」
「………」
「………お願い………まだこれが現実じゃないんじゃないかって…目が覚めたら一人ぼっちじゃないかって…」
「俺はちゃんとここにいます。……今日は休みましたけど明日学校ですよ」
「手加減はするから………」
「はぁ………」
ため息でさえも、和樹さんは肩をビクッとさせていた。
「じゃあ条件があります」
「条件…?」
顔を上げて見上げた和樹さんの顔は、今まで見たことないくらい怯えていて、弱っていた。
「そんなに怯えないでください…もう和樹さんを一人にしません」
コクっとうなずいたのを見て、条件を話す。
(可愛い…)
「……お仕置きを…やめてほしいです」
「だって…お仕置きしないと祐が逃げちゃう…」
「俺は逃げませんよ……」
「体に覚えさせなきゃ俺捨てられちゃう」
「捨てないってさっき約束したでしょ」
「………本当に…?」
「それさえ守ってくれれば俺の体は好きにして構いません。だって大好きな人が……和樹さんがいないと俺生きられなくなっちゃう」
「祐……」
「ずっと、ずっと死ぬときまで一緒です」
「……うんっ」
泣き腫らした目でこっちを向いた彼の顔は、今まで見たことないくらい幸せに満ちた笑顔だった。
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