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それから数十分後……
やばい。非常にやばい。
とてつもなく尿意が近い。
「っ…………」
もじもじとしていると、近くにいた顔立ちが幼めの人に声をかけられた。
「もしかしてトイレ?」
耳打ちしてくれたお陰で恥ずかしくならずに済んだ。
こくりと頷くと長の方へ走っていった。
なにやら耳打ちするとこっちへ戻ってきた。
「縄をほどいてもいいと許可が出たのでほどきますね。あ、逃げようとしちゃだめですよ。僕、こう見えて結構強いんです」
そういってほどいてくれると「こっちへどうぞ」と言われ、ドアが開きっぱになっていた部屋を出た。
出ると広めの場所へ出た。
「ここは南倉庫です。僕らの秘密基地的な場所です」
解説されながら倉庫のすみにある部屋へ移動する。
さっきの部屋は管理人の部屋のようだった。
「僕はドアのまえで待ってるのでゆっくりどうぞ」
そういわれて、ドアを開けて入る。
表の少し古めの倉庫とは釣り合わず、なかなかに綺麗にされている洗面所があった。
その奥のドアがトイレだろう。
手早く用を済ませ、トイレを出る。
「じゃあ部屋戻ろっか」
戻ると、なぜか縄で縛られることはなかった。
「別に逃げても僕が捕まえるし、いたいの嫌でしょ?」
「い、いや…です…」
「…やっと声聞けた」
そういって嬉しそうに隣に座った。
「ねぇ、名前なんていうの?」
「草薙…祐です」
「祐くんかー、僕はね、んー……じゃあなおきって呼んでよ」
「なおき…さん」
「さん付けかぁ……まあいいや、橋谷って人が来るまで一緒に話そ」
そこからは結構楽しかった。
自分から話すことは少なかったが、なおきさんが色々と話してくれたお陰で、暇にはならなかった。
すると入り口の方から大声が聞こえた。
「あ、来たみたいだね。ちょっとこれから乱暴しちゃうかも…合わせてくれると助かる」
「わかり…ました」
「じゃあ行こっか」
両腕をを後ろで掴まれる。
部屋から出ると、和樹さんが一人で立っていた。
「祐!」
俺に気づいて名前を叫ぶ。
「さーて橋谷サン」
そういって和樹さんの方に長と言った人が歩き出す。
「今まで何人俺たちの女を食った?」
(女……?)
「さぁな、覚えてねぇよ」
今まで見たことないくらい口調が悪くなっていた。顔つきも険しくなっていてとても怖い。
「しかもヤったあとは全員捨てたんだろ?どうせ性処理としか思ってねーんだろ」
「もう昔のことだろ?今もう大事な恋人がいんだよ」
「へぇ……どれだけ続くか見ものだなぁ……取り敢えず殴らせていただこうか」
「俺と勝負ってか」
それからは速かった。同時に走りだし、まるで映画のような戦いだった。
「二人とも強いよね」
なおきさんが話を切り出す。
「俺は違うんだけどね。女の話出てきたでしょ?聞いた話では橋谷って人、この組に属してる人の女を片っ端からヤったらしいんだよ」
「……え?」
「この組以外にも普通に女を食い荒らしてたらしくて」
俺の知らない和樹さん。俺だけだと足りないのだろうか?
「俺…捨てられちゃうのかな…」
「え?」
「………」
「…もしかしてさ」
嫌な予感がして俯く。
「橋谷って人の恋人?」
「…………」
何も言えなかった。
「図星、か。大事な恋人っていうのは祐くんだったってわけ」
黙ったまま戦いを見る。
「……止めに行かないの」
「……?」
「あのままだと多分橋谷って人死ぬよ」
確かによくよく見ると致命傷だ。あのままやられ続ければ死んでしまう。
「僕はお頭の味方だからなにも言えないけど」
その言葉を聞き終わらない内に走り出した。
「和樹さんっ!」
「ッ!?」
和樹さんが殴られそうになったところで前に出る。
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