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137《和樹視点》
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「ねぇ、祐は今死にたい?」
無意識に口からでた言葉だった。
「あれ…なんで……」
「……今は死にたくないですよ。和樹さん」
窓の外を見て答えた祐がこっちを向いたとき、全身に電流が走った気がした。
静かに、綺麗に涙を流す姿に見覚えがあった気がした。
「ごめん。変なこと言った。忘れ……」
「前和樹さんに死にたいって言ったことがあったんです。『俺も死にたいって思ったことあるよ』って言って、風哉さんのことを話してくれました」
静かに語りだしたかと思うと、どこかでスマホの着信音がなった。
「すみません。俺です」
そういって祐がポケットからスマホを取り出す。
画面を見て、祐が慌てた。
「えっと、あ、そのアルバム和樹さんに預けときます。また昼に来るので」
そういって窓を開けて出ていってしまった。
「………」
ガラガラガラとドアが開き、看護師さんが入ってきた。
「あれ、まだ寝てなかったんですか?…あ!窓開けちゃダメですよ!」
そういって懐中電灯を消して窓を閉められる。
「すみません。寝れなくて外の風に当たりたくって」
「気をつけてくださいよ?」
そういって見回りに戻っていた。
(寝よう)
今度こそ布団に潜って眠りについた。
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