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『誕生』
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それから半年後
赤子が生まれた。
零と時雨の子だ。
実は雪都たちと出会ったあのとき
既にお腹には小さな命が宿っていたのだ。
「ふふふ、抱っこしてみる?」
「うん!」
「落とさないでくださいね」
「落としたら拳固だ。」
「かあいーっ」
もうすぐ3才になる兼都だが
すっかりもうお兄ちゃんであった。
「名前は決まったんですか?」
二人は顔を見合わせて微笑み
頷いた。
「…レイン。雨と書いて、レイン。」
「なんでまた雨なんて?」
「雨が、好きなのよ。この子。」
キャッキャッとわらう雨の
頬を撫でると嬉しそうにその指を小さな手でつまんだ。
「この子がなくとね、雨が降るの。
零の意識とは関係なくよ?
この子は零の能力を受け継いだのかも知れないわ。」
「いやなとこだけ似てしまいましたね」
「本当にね。晴れとかもっとそういう方がこの先便利なのにねえ。」
「お前ら苛めか」
皆がわらい
皆が幸せな日々。
この先永遠に
この時間が続けばいいと
雪都は願った。
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