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『壊れた過去』
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「ん、はぁ」
声も枯れ果て雨の顔は涙と
精液で汚れていた。
男の太いグロテスクなそれが
雨の中を往復し
もう何度目かわからぬ
射精をする。
「はっ、もうゆるくなってきたな。つまんね。」
射精しおえた男が乱暴に雨を放り投げた。
それが終わりの合図だった。
最中に吸血もされていた
雨にはもうほとんど意識は無かったのだ。
「雨…………!」
みつけたそれは
起こったであろうすべての
情事を把握するには十分で。
雨の匂いを辿ってきた兼都は
すぐざまに彼を抱き抱え家へと
急いだ。
「雨の記憶を消してやってよ」
雨が目覚める前に今日起こった全ての記憶を消す、それが彼を救える方法だと思った。
雪都もそれには同意し、
すぐに記憶の削除へと切り出した。
同時に彼のことが、この場所がばれてしまうのも時間の問題だと
感じた雪都は、
新しい雨の居場所を作ることにした。
それは、雨を二人から託された
雪都にとって苦渋の選択だった。
だが悩んでもその場所は思い当たらない…。
そしてもうひとつ、雪都を苦しめたものがあった。
それは…
「……どなた、ですか?」
目覚めた雨から
発せられた言葉は思いも依らぬ一言。
雪都が記憶を消したそれ以外全ての記憶を
自ら封印してしまっていたのだ。
つまり自分のことはもちろん、
雪都や兼都の記憶すら
無くなっていた。
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