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『記憶の削除』
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「こ、こは……」
目覚めるとそこは白と黒のみ使ったシックな部屋、つまり白葉の部屋だった。
「おはよう。よう眠ってたな。」
隣にはとっっても色気溢れるお顔が。
「白葉……
なんで一緒に寝てんの。」
上半身裸でオレの隣にねるこの
男は本当に
「身の危険しか感じないんですけど」
「そやねー」
……ぎゅっと胸元に抱きつけば
いつもの白葉の香りがした。
この香り、好きだ。
「どないしたん。かわええことすんね。」
よしよしと頭をなでるその行為に何故かひどく安心した。
「そういやなんで最近白葉血吸わないの。ずっと夜いないから聞くに聞けなかったけど。」
んーと曖昧な返事が戻ってきたがそれ以降の言葉はなかった。
「まぁ昨日は突然でびっくりしたけど。」
………きのう?
白葉に声かけられて
久しぶりの食事とかいわれて。
あれ……おれ、なんか……
「きのう、なにしてたんだっけ」
よくあること。
よくある。
でもなんだか昨日は
忘れてはいけない何かがあった気がする。
「すまんな……レイ……
飲みすぎて記憶ぶっ飛ばしたかも知れん。」
「あー通りでだるいと思った。」
「もう少し寝とき。今日は祝日やからお寝坊しても、ええ。」
「……うん」
白葉の香りにつつまれて
オレはまた 意識を手放したのだった。
「………………」
『すまんな帰って早々頼み込んで。』
『いや、事情が事情だ。構わないよ。』
『しかし、お前のその能力ほんま怖いわ』
『……』
『まさかオレの記憶とかいじって』
『そんな訳ないだろ面倒くさい』
『……そやね』
『この能力はほんときらいだよ。つくづくね。
……なにせおなじ能力のやつがいるものだから』
『……おなじ能力?』
『珍しいことじゃないだろう。
同じ父親であれば
腹こそ違えど能力が同じことも有りうる。』
『何かあったんか……』
『雨が雪都に会いに行ったよ』
『雪都ってあの、前まで雨がいたとこの?』
『あぁ。雨の育て親であり
雨の記憶を消した男。
オレの腹違いの
弟だ』
「そうか。お前と緋色の出会いは
必然やったか。そうやとしたら緋色はいつからお前のことを知ってたんやろな、レイ……」
柔かい髪を手解く。
今はこの愛らしい眠り姫は
何も応えてはくれないだろう。
おやすみとキスひとつ落とし
白葉も再度眠りについた。
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