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『言えない事実』
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この頃緋色は自分の家系に関する全ての血縁者と縁を切り自分だけの生活を始めていた。
その際共に生活することになったのが白葉だった。
白葉とは学院時代からのツレで
家系も似ていて同じく縁を切っているため
誘ったのだった。彼はすんなりOKを出し
ただ飯を食えると喜んでいた。
もう一人狩りについての教育をしていた式も誘ってみたが
彼は父親の跡を継ぐという志からその誘いを断ったのだ。
元々式は昔から父親に憧れていたのだから
ダメ元ではあったが可愛がっていたので多少のショックもあった。
そして雨とは
雨の日に限らず会う回数が増えた。
会えば会うほど
知れば知るほど
緋色は雨に惹かていく。
『それで、雪都さんが・・・・・』
ちょくちょく出てくる名前で
疑いは確信に変わっていた。
今雨がいるのは
雪都の元であることを。
あえて緋色は何も言わなかった。
あれから雨が襲われないようにと
緋色も気を立たせていた。
だが少し離れてる日があると
またすぐに暴漢にあう。
しかし緋色はそれ(記憶)を
消さなかった。
消さずに言い聞かせた。
雨は混血だから酷い目に合わされるのだと。
そしてもう一つ教えてあげた。
そのせいで酷く傷つき今は記憶がないことを。
ただしあまりにも酷いケースは緋色が
それらを処分した。
その一方で緋色はある情報を手に入れていた。
それは自分が唯一仲間としている内の一人が
雨の両親を殺したこと。
それはあまりにも身近すぎて
そして気づけなかった事実だった‥‥。
雨に言っていない事実の、ひとつ。
両親は殺されて既にいないということ。
これだけはどうしても言い出せなかった。
ましてや、その敵が式の父親であるなどと。
・・・・・
隠し事が増える度心が痛むのだった。
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