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《那月》
中学三年の秋に、転校生が来た。
すぐに周りに溶け込んで、みんなと一緒に笑いあって。
いいな。
ぼーっと見てたら
「おい、便利屋!!掃除頼むな!」
「うん。いいよ。」
僕はニコニコ応える。
「こっちも!」
「うん。」
「ありがと!恩に着る!!」
あ、嬉しい。御礼、言われた。
えと、今日は掃除当番と日直日誌書くのと…あ、アンケート集めるのも任されてるんだった。
大忙しだ!
「ぎゃー!宿題忘れた!
見せてくれっ!」
「うん、どうぞ。」
宿題渡してから、バタバタとアンケート集めに周った。
何とか、授業が終わるまでに集めて、係りに渡した。
「サンキュな。」
係りが、職員室の先生の所に渡しに行った。
あとは、掃除当番。
女子と僕が掃除をする。
「便利屋も暇ねー。
毎日、毎日掃除してんじゃん?」
「みんな、部活あるから。」
僕はクラブに入ってないし、帰るだけだしね。
「便利屋、後ゴミ捨てだけだから、頼んでいい?」
「うん。やっとく。」
「やった!ラッキー。じゃあね!」
ゴミ捨てして、女の子の放りっぱなしにしたホウキを片付けた。
「ただいま。」
っていっても、返事はない。
シンとした部屋。
「掃除して、洗濯して…ご飯作らなきゃ、ね?」
独り言言う声が響く。
でも、もう慣れたし大丈夫。
大丈夫だけど…
ちょっと寂しい。
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