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《那月》
嬉しい!
守谷さんとまた会える!
おまけに今日は、待ち合わせでスーパーに行ける!
もう行く途中で会えるかな、どうかなって考える事ないんだよ!
ふふっ、嬉しいなぁ。
今日クラスメイトにされたビンタも、全て消し飛ぶくらい!!
待ち合わせの時間より、だいぶ早く表に出た。
今日は来るって言ってくれてる人だから、待ってるのも楽しい!
目の前で車が止まった。
「那月、早いなー。お待たせ。」
運転席にいたのは、守谷さん?!
え…でも、スーパー歩いてすぐだよね?
あ、用事で出掛けるんだ!
なんか……用があるのに悪いことした。
「守谷さん?
用事があるなら、別に僕は良いです。
また、今度一緒に…」
言ってて……気付いた。
今度……
今度なんてあるのかな?
なんか……寂しい
「何言ってんだ?
早く乗れ?
ここ駐禁だし。」
守谷さんは呆れたように言った。
え?
乗るの?!
乗るってどこから??
守谷さんは業を煮やして降りて来て、隣の席に僕を押し込んだ。
「シートベルト閉めて?」
「えっ…と……」
「ここだよ。
呆れたな、車に乗った事くらいあるだろ?」
「う…っと…….」
曖昧に肯いた。
実は初めてなんだ。
車に乗るの。
でも、初めてだって言ったら、呆れられそうで。
….…もう既に、呆れられているけど。
「わわっっ!!」
走り出した時、思わず声を上げてしまった!
「あ、悪い。
急発進したつもりは無かったが。」
「いいえ!
大丈夫です!」
危ない、危ない。
声を出してはダメだ。
スーパーに寄って一緒に買い物してその後、守谷さんは用事で、僕は帰る。
それなら説明が付く。
スーパーに行きたいって言ったばかりに付き合ってもらう事になっちゃって……
なんか申し訳ない。
でも、早いなー!!
見慣れた景色が、飛ぶように過ぎる。
いつもはテクテク歩いてたのが、あっという間にもうスーパーだ!
え……?
え、スーパー通り超しちゃった?!!
なんで??
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