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#3
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入学式の次の日
教室に入った僕はドキドキしていた。
昨日は深く考えてなかったけれど、僕の名字は「佐久間」、斉藤慎也くんの名字は「斉藤」。つまり、僕の席は僕の気になっている人の後ろの席と言うことになるのだ。
『…斉藤くんはまだみたいだな…』
そんなことを考えていると、またしても聞き慣れた声が僕を呼んだ。
「おはよー!隼人!今日も辛気臭ぇ顔してんなぁ、おい!」
「…虎太郎。痛い。叩くな。」
「そんな強く叩いてないぜ?もっと俺みたいに鍛えて、俺様のように堂々としてなくっちゃな!」
「…虎太郎みたいになるなんて死んでもヤダ。」
「なんだとー!!」
そんなことを話していると、フワッと爽やかな声が僕の耳をなぞった。
「おはよう。朝から元気だね。」
「っふぇ!!」
「あ?誰だお前?」
「クラスメイトに対して酷い扱いだね。僕は斉藤慎也。一応昨日新入生代表で挨拶してたんだけどなぁ。」
「あぁ、こいつか。隼人がいい声って…ブフッ」
「…黙れ虎太郎。お、おはよう斎藤くん。」
「おはよう。名前聞いてもいいかな?」
「…佐久間隼人。で、このバカは幼なじみの虎太郎です。…よろしくお願いします。」
「隼人に虎太郎ね。僕のことは慎也って気軽に呼んでくれればいいからね。」
「ケッ。馴れ馴れしいやつ。」
「…よろしく、…慎也。」
これが始めての彼との会話。
僕は虎太郎の頭に頭突きしながら、彼の声に酔いしれていた。
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