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ポジティブという名のネガティブ1
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「「お疲れ様でした〜」」
スタッフさんたちに挨拶をし、俺とりんたろーさんはスタジオを後にする。
外へ出ると、今日も沢山のファンの方が出待ちをしてくれていた。
ありがてぇという気持ちと共に、こんな俺にキャーキャー言ってて大丈夫か?という心配が入り混じって不思議な気持ちになる。
未だに慣れないこの感じ。
でも、本当にありがてぇ。
ファンの間を縫ってタクシーに乗り込めば、りんたろーさんが運転手に行き先を告げる。
告げられた先は、りんたろーさんの家。
「あ、俺の家で良かった?」
聞くなら行き先言う前にしてほしい。
「ま、まぁ、はい…」
俺たちは今日、恋人同士になった。
ほんと、ついさっき。
一生言うことはないと思っていたし、なんなら言うつもりもなかった。
最初はドッキリかと思ったけど、きっとりんたろーさんは俺にそんなドッキリしない。
番組から依頼されても断るだろう。
だから、なんとなく、今に至る…テキなテキなテキーラ?
「何?やっぱ俺の家じゃ不満?」
俺の返事が曖昧だったからか、りんたろーさんはスマホを見ていた俺の顔を覗き込んで聞いてくる。
うっ…
この人ブサイクとか言われてるけど、実はめちゃくちゃカッコイイんだよ。
だから顔を近づけられると困る。
ブサイクランキング2位のくせに。
でも、そんなことを思っていると知られるのは癪なので平静を装う。
「いや、ただ腹減ったなぁって思っただけですよ。ラーメン食いてぇなって!でもりんたろーさんこの時間にラーメンは食いたくないっすよね?だからりんたろーさんの家行く前にコンビニ寄ってもいっすか?」
スマホを閉じてポケットにしまい、りんたろーさんの肩に頭を乗せてみる。
俺はりんたろーさんが7股してた過去も知ってるし、俺なんかを一途に思ってるわけないとも思っている。
だって「偽愛」に共感してるくらいだよ?
別に「偽愛」の歌自体を否定するつもりはない。
でも、そんなこと言ってる男信用できるか!?
俺ならできない。
でも相方だし。
フったら可哀想かなぁって……
いや、俺が好きだから断れなかったってのもあるけど。
別に体だけでもいいかなって。
俺男だから妊娠とかしないし。
りんたろーさんのはもう病気みたいなもんだし。
それら全部含めてりんたろーさんだし。
それにしてもさ、そんないきなりヤろうとする!?
これだからただのチャラ男は…。
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