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ポジティブという名のネガティブ6
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ラーメン食ってたら、いきなりりんたろーさんに頭を撫でられた。
なんていうか…
上手くは言えないけど、りんたろーさんはこういうことをしない人だと思っていた。
りんたろーさんは確かに後輩にも同期にも優しいし、慕われていると思う。
でも、恋愛面をりんたろーさん本人から聞く限りだいぶクズだと思っていた。
するだけしたら帰ってほしいって、前に何かのインタビューでも言ってたし。
もしかしてこの人、まだ俺のこと童貞だと思ってる?
初めてだから優しくしないととか思われてる?
俺本当に童貞じゃないんだけど!?
「べつに嫌じゃないですけど、俺なんかの頭撫でて何がしたいのかなって思っただけです」
嫌じゃない。
そう言おうとしただけだったのに、余計なことまで口走っていた。
言うなら童貞じゃないの方が良かったよ、俺の口。
そんな俺にりんたろーさんは
「恋人には触れたいって思うもんじゃない?かねちも撫でる?俺の頭」
と言って、肩に頭を乗せてきた。
「くっ…ははっ…ほんと、何がしたいんですか」
りんたろーさんが何をしたいのかはよく分からないけど、とりあえずさっき俺がされたように頭を撫でたり髪を梳いたりしてみる。
珍しくセットしていないりんたろーさんの髪。
セットしてないって言うよりは、セットする時間も無かったの方が正しいか。
今日は移動が多くて慌ただしかったから。
セットしていないりんたろーさんの髪の毛は、柔らかくてサラサラしていて、ずっと触っていたくなる。
「どう?楽しい?」
りんたろーさんのことを考えながらボーッと撫でていたら、不意に聞かれてハッとする。
「まぁまぁです」
そうは言ったものの、心地良くてなかなか手を離す気にはなれない。
「あ、俺風呂まだ沸かしてないわ」
俺が頭を撫で続けていると、りんたろーさんが思い出したように言った。
なんならこの人、まだ坦々麺も食べ終わってないからね。
「ご飯も食べずに俺なんかの頭撫でてるからですよ」
俺は邪魔になると思い、まだ触れていたかった気持ちを抑えてりんたろーさんの頭から手を離した。
「あぁ、食うのも忘れてたわ!とりあえず風呂だけ先に沸かしてくる」
そう言ってりんたろーさんは俺の肩から頭を起こし、俺の頭にポンッと触れてからお風呂場に消えていった。
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