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ポジティブという名のネガティブ7
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危なかった。
抱きしめたい衝動にかられたが、抱きしめたらそのままキスして押し倒してしまう自信しかなかったのでとりあえず我慢した。
我慢できた俺偉い。
今まで出会った女の子なら絶対そのまま押し倒していたし、なんなら帰ってきてそのままベッドに行っていたかもしれない。
そんな今までの女の子には失礼かもしれないが、兼近のことはめちゃくちゃ大事にしたいと思ってるいるので、せめてゆっくりお風呂に浸かってお互い綺麗にして、その後優しく優しく抱きたいと思っている。
あのまま押し倒していたらこの先きっと、俺がどれだけ"好き"だの"愛してる"だのと言ったところで兼近には信用してもらえず、体だけの関係だと思われるだろう。
そんなのは御免だ。
俺がどれだけ兼近のことを大切な恋人だと思っているか、是非とも兼近にはそれを自覚してもらいたい。
「何?足りなかったの?」
風呂の準備を終えて戻ると、兼近が俺の坦々麺を食っていた。
別にそれ自体は何も気にしていないが、口一杯に頬張って俺と目が合っている兼近の表情は堪らなく可愛い。
こっちは理性を保つのに必死だというのに。
いや、分かってる。
兼近がしていればなんだって可愛く見える。
「美味しいのかなって思って」
首を左右に振り、モグモグしながら喋る兼近。
うん、何してても可愛い。
「食べながら喋んな」
いくら可愛くても行儀悪いのは良くないので、一応注意はしておく。
「で?美味しかった?」
兼近の隣に座り、頭を撫でながら聞いてみる。
「うん、まぁまぁですね」
そう言いながらも兼近は、2口目を啜った。
実際何口目か知らないけど。
量的に絶対2口より食ってる気がする。
「りんたろーさんも食べますか?まぁまぁですよ」
「いや、俺の!あ、食わせてくれんの?」
俺がツッコムと楽しそうに笑った兼近だったが、俺が口を開けて待つと一気に顔を赤くした。
「仕方ねぇなぁ」
可愛い。
真っ赤な癖に仕方ないと言って食べさせてくれる目の前の恋人を、俺はこの短時間で何度抱きしめてキスしてそれ以上のことがしたいと思ったことか。
マジで耐えてる俺偉くない?
「うん、美味い。あと全部食っていいよ」
とりあえず理性を保つのに必死で食事どころではないので、そんなに量が残っているわけでもないが、絶対に足りなかったであろう兼近に譲る。
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