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ポジティブという名のネガティブ14
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「なん、ですか…?」
いつもよりも小さい声と、不安そうに俺を見つめる目。
思わず兼近を抱きしめ、頭を撫でる。
「緊張してる?」
怖いか聞こうと思ったけど、そんなのを聞いたところで否定するに決まっているので、あえて緊張って言葉を使ったのに首を左右に振られた。
「りんたろーさん」
「ん?」
「俺、本当に童貞じゃないですよ」
「えっ?」
真剣そうな声で呼ぶから何を言い出すかと思ったら…
え?
今更なんの報告?
「だから、俺童貞じゃないんで、そんなに気にして優しくしてもらわなくても大丈夫ですよってことです!」
あー、なるほどね。
「ふっ…あははははっ…!」
「はぁ!?なんで笑うんですか!」
笑われたのが気に食わないらしい兼近が、不満そうな声で抗議してくる。
いや、笑うでしょ!
俺は兼近を大切にしたかっただけなのに、まさか"自分が童貞だから何もしてこない"と思われていたとは。
童貞じゃないですよって言ってくるのが可愛い。
本当に、何を言っても何をしても可愛くて、こんなに人ののとを愛おしいと思ったのは初めてだ。
「もういい!俺は寝ます!」
俺がいつまでも笑っているからか、俺から離れようと体を押してくる兼近。
「ふふっ…ごめんって、かねち」
笑いを堪えようとするが、兼近が可愛くて仕方なくて、つい笑がこぼれてしまう。
「何がごめんだよ、思ってないだろ!」
結構ご立腹な様子だ。
そんな兼近も可愛い。
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