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ポジティブという名のネガティブ15
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俺はただ、童貞だと思って気にして優しくされてるのかなって思ったから言っただけなのに。
なんでこんなに笑われなきゃいけないんだ…
「ふふっ…ごめんって、かねち」
まだ笑ってるし。
大体、童貞だってべつに良くない!?
そんな笑うことないじゃん。
俺は童貞じゃないけどな!
「何がごめんだよ、思ってないだろ!」
「思ってるよ、ごめん。なんか幸せだなって思ったらつい笑えてきちゃって」
なんだよそれ、そんなこと言われたらもう怒れないじゃん。
そんな幸せそうです、みたいな顔しちゃってさ。
俺は諦めてりんたろーさんの腕の中で黙る。
だからと言って許したわけじゃない。
俺はあんなに笑われて傷ついたからな。
「かねち」
りんたろーさんが優しい声で俺の名前を呼ぶ。
この優しくて甘い声がすごく好きだ。
「ごめん、でも本当に馬鹿にしてたわけじゃないよ?」
子供をあやすように俺の頭を撫でてくるりんたろーさんの手は、やっぱりすごく心地良い。
でもそれとこれとは別。
どこが馬鹿にしてないんだよ。
めちゃくちゃ笑ってただろ。
「ただ、童貞じゃなくても受け入れる側は初めてでしょ?だから緊張したり不安になってるかなって思って心配してたのに、予想外の言葉がきたから」
りんたろーさんはちょっと困ったような表情で、俺の顔を覗き込み弁解している。
顔を近付けてくんなイケメンめ。
何がワニだよ、何がブサイク2位だよ。
でも、心配だってさ。
別にそんなん気にしなくていいのに。
「じゃあ、痛くしないでくださいね」
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