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佐々木君②
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俺は帰り道、永瀬に問い詰めた。
普通に友達にどうでもいい質問するみたいに言ったつもりだ。
「永瀬が愛人するのって、気に入った奴だけ?」
「嫌いな人はしないよね」
「例えばだけど、俺らの中で愛人にしたいって思う人いる?」
永瀬はすぐには返事をせずに、うーんと悩んでいる。
「どうしたんだよ、佐々木。もしかして永瀬に惚れた〜?」
「童貞卒業した相手だもんな。お前単純で純粋だしなー」
「永瀬、こいつも愛人にしてやりなよ」
百合川と山崎と曽根屋は、笑いながら俺を茶化したり、永瀬にもちょっかいを出している。
「……うぅん、無理だと思うよ。佐々木君、ごめんね?」
サラッと振られてしまった。
俺がタイプじゃないとか、それともセックス下手? 見た目の問題? 中身の問題?
何故断られたのか、ずっと頭の中で考えた。
「佐々木君、君を嫌いなわけじゃないよ。おちんぽ大きくて気持ち良いしね、そこは自信持って。
でも、見た目とかセックスの上手さは関係ないから」
どういう事なのだろうか。分からないから悔しい。
俺が大谷なら、絶対愛人になるのに……。
「そもそも愛人って何? 彼氏とは違うの?」
聞いてはいけないような気がして、ずっと聞かずにいた事を聞いた。
小倉が少しバツの悪そうな顔して、永瀬も困った顔をしている。
「彼氏はいるんだ……彼以外を彼氏にする事はないよ。だから他の人達は皆愛人」
永瀬はそれだけ言うとさっさと行ってしまった。他の皆も永瀬の後について行く。
だけど、小倉君だけが俺の横に並んで控えめな声で教えてくれた。
「アイツの彼氏さ、死んだんだ。二年前に。それから心を埋めるように愛人を作っては別れてを繰り返してる。
もう寂しくならないように、多くの愛人が欲しいんだって」
「それは……悪い事聞いたな」
「大丈夫だよ。不思議に思うのが普通だと思うし。
アイツの愛人になるのは条件があって、それが難しいんだ。断ったのはね、君を苦しめないようにする為だよ」
それなら仕方ないのか……?
俺は知らない事だけど、永瀬の悩みを解消したとかで、更に距離を縮めてくる大谷にも慣れてきた。
何気に気を使っているのか、永瀬を一周マワしたら大谷が止めに来るようになった。聞いているんだろうね、たまに大谷のズボンが盛り上がっている。
それにも慣れた頃、次は小倉が梅山を連れてきた。
放課後の化学室でテーブルの上に永瀬を寝かせてマワしていた時だ。
大谷が止めに来ないから二周目に入っていて、ちょうど俺が永瀬の中に入っていた。
どうしてセックス中に他人なんか……しかも女子。
梅山も要注意人物だ。大谷同様、正義感が強くて小倉に永瀬をいじめないように言ってきた。
普通女子が不良にあんな怒鳴らないだろう。あの一件で、俺は彼女が苦手になった。
なんか怖いし。
でも、そう思っていたのは俺の読み違いだったようだ。
梅山は小倉をチラチラ見ていたかと思うと、とうとうその身を小倉に寄せてしまった。
「私、もっと女の子になりたい。でも永瀬君とは嫌、ちゃんとあなたが私の相手しなさいよ」
「ねぇ莉紅。俺、梅山さんとしてもいい?」
そんなやり取りから梅山は小倉が好きなのか? と疑問が過ぎった。興味ないから聞き流したけど。
小倉も小倉で、永瀬の許可があれば他の人とセックス出来るのか……。
愛人っていうけど、二人の仲はよく分からないな。
「……いいよ。梅山さんが僕の愛人になるならね」
永瀬はニコニコして、梅山に愛人になるよう誘いだした。
彼女は愛人になる条件をクリアする何かがあるのか? 俺はダメで、梅山が良い理由……疑問は深まる一方だ。
そもそも小倉が好きなら永瀬の愛人になれば小倉とセックスして良いというのが、よく分からない。
ゴチャゴチャする頭の中をスッキリさせたくて、頑張って腰を振った。
「あ、い、人? 言っている意味が分からないわ」
「んぁっ、僕はね、ハーレムを作るのが夢なんだ。僕の好きな人達に囲まれて暮らすんだ。はぁ……んっ。
今のところ……んんっ、ハーレム要員は葵唯だけなんだけどね、増やしていきたいと思ってる」
どうして?
小倉と梅山が良くて、俺が駄目な理由はなんだろう。
梅山が厳しい条件とやらをあっさりクリアした理由は? 性別の区別はないのか。
どうしたら俺も君の愛人になれるんだ。
「ちょっと佐々木君、話の邪魔しないでよ」
「え? あ、ごめん。夢中になってたわ」
考え事に夢中になって無意識に腰を振っていた。
けど梅山のせいで、永瀬は俺のチンコから抜いて梅山の方に行ってしまった。
どうして梅山はいいんだよ?
考えても仕方がない。後で条件とやらを聞こうと思った。
梅山はの愛人になったらしい。裸になっていたようだけれど、悔しいからそのやり取りは見ないようにした。
考えないようにして、仲間達だけでカードゲームをしていた。
大谷も来てプレイはすぐ中断した。八人仲良く下校……と思ったら梅山と小倉は別で帰る事になった。
まぁ、女の子だしな。小倉が送るのがいいだろう、梅山は小倉が好きみたいだし。永瀬がいてくれれば俺はなんでもいい。
その後六人で下校する事になった。皆で過ごす時間は好きだ。俺はもうボッチのパシリじゃないって実感出来る。
楽しい時間だ。ずっとこの時間が続けばいいのにって思うくらい。
「大丈夫? ま、振られて落ち込むのは分かるよ。後から来た梅山は愛人になってるし」
そんなに暗い顔してたかな、俺? 声を掛けてくれたのは曽根屋だった。
心配してくれているのが分かるから嬉しい。
「女でもいいなんて、ビックリだ」
俺の言葉に「えっ?」という顔をする曽根屋。山崎が曽根屋の代弁をした。
「あれ佐々木、見てなかったの? 梅山男だよ。今日いたメンバー八人の秘密だって」
「マジ!? やば、全然見てなかった」
以前なら、女性の身体なら興味津々だった。けど、永瀬を好きになってから、女性に興味をなくした。
梅山の裸なんてどうでもいいと思って見なかった。
だからって男の身体に興味があるわけじゃない。永瀬ただ一人に興味があるんだ。
「山崎君違うよ。皆も聞いて。
梅山さんは男の身体かもしれないけど、れっきとした女性だ。男扱いしないようにね」
永瀬が梅山をフォローするように、優しい口調でそう言った。
梅山の何を知っているのか、と言いたくなる。永瀬は、彼女の全てを知っているかのような口振りだ。
小倉や大谷を見る限り、女性的な男が条件……というわけではなさそうだけど、どうして愛人になれたのか不思議でならない。
帰り道は途中まで皆同じ道を歩くけれど、途中からそれぞれ家に向かう方角へと一人ずつ減っていく。最後は俺と永瀬だ。
いつもは小倉がいてなんとなく聞きづらかったけど、今日は聞いてやる。
俺がいつも二人と分かれる分岐点、俺は永瀬を呼び止めた。
「結局さ、永瀬の愛人になる条件ってなんだ?」
「ふぅ。……君も納得しないだろうから教えようか。
まず第一、僕本当はタチだから、ネコちゃんがいいです。
訳あって輪姦してもらってるけど、愛人相手は違う。君、抱かれるのは無理でしょ?」
「うっ……」
「第二、僕はSなのでドMちゃんがいいです。君はMっぽくないし」
「うぐぅ……」
「第三、これが一番大事。僕の事を好きじゃない人」
何も言えなかった。俺は正しくその条件全てに外れている。
「僕は愛人達を一番に愛せない。だから僕を好きじゃない方が良い。
元々敵対してた葵唯、葵唯に惚れてるから仕方なく僕の愛人になった夏希、二人は全部の条件に当てはまる。大谷君は……彼は特別。恩人だし、純粋に欲しいと思ってる」
「でも、小倉は永瀬の事好きだと思うけど」
「愛人になって、深い関係になってから好きになってくれるのは良いんだ。弁えてくれるし、特に葵唯君は自己主張してこないから。
でもね、最初から僕を好きだと言って愛人になった人達、今一人も残ってないよ」
俺は、永瀬から離れていった連中と同じだというのか。
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