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丹野君①
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高校入学して……早速ボッチになってしまった。
周りはグループ組んで仲良くやっている。運動部同士の仲間に、オタク達、オシャレ系の奴ら、女子とつるんでる奴ら。
僕はどのグループにも入れなかった。
趣味は舞台鑑賞、小説もラノベじゃなく純文学を好む。特技は将棋だ。
部活は将棋部に入ったけど、部員は三年生が四人、二年生がいなくて、一年生が僕だけ。
来年までに部員が増えなければ廃部になり、ボードゲーム部に吸収されるんだそうだ。
そのボードゲーム部も、一年生はいるけれど僕のクラスメイトはいなかった。
自分から声を掛けなければいけない。けど、そんな勇気俺にはないし、それなら何もしなくていいや。
ボッチ生活を受け入れる事にした。
本を読んでいれば一人でも問題ないし、体育とかで二人組になれって言われても、隣同士で組むからあぶれる事はなかった。
グループ作業も近くの机を揃えればいいから、好きな人同士でとか言われたら悲しい思いをしただろうけど、学校側が配慮しているのかもしれない。
グループで組んで作業をしたからといって、挨拶する程度になるだけで、グループには入れない。
ゴールデンウィークなんか、クラスのあちこちでどこに遊びに行くか話し合っている中、やっぱり僕はボッチのままで。
無駄に長い休日は、宿題をするか、読書するか、部活で将棋を指すか、授業の予習をするか以外にやる事もなく終えた。
はぁ……。二年はクラス替えがあるから、その時は頑張らなくちゃなぁ。
そう思っていた矢先だった。
隣のCクラスで問題が起こっているらしい。僕は周りが話しているのを聞いただけだ。けど、少し興味があって昼休みに覗いてみた。
最初の頃は結構覗いてた人がいたから、その隙間からチラッとだけ。
男の子が裸にされて犯されていた。せっくすとかいうやつだ。詳しくは知らない。本には男女で布団の中に入って何かをするとかなんとか。それをすると子供が出来るらしい。
保健の授業で、精子が卵子と結合すると子供が出来ると言っていた。精子は男の精巣から作られるもので、卵子は女性の身体の中にあるらしい。
とにかく、僕は何も知らなかった。生の性行為を見るまで何も。男同士でも出来るものなんだ。
僕はその行為自体に興味を示した。
帰ってから家でネットで調べた。調べまくった。
男同士のセックスを。すると、何故か心臓がバクバクして体温が上がった。
そして、僕のチンチンが大きくなった。
これか! これが皆が言っている勃起というやつだ。そして、擦って射精する事をオナニーというのか。
初めてオナニーをした。その快感は凄まじかった。
それから毎日オナニーをした。家ではネットでR18サイトに入り浸り、知り合った人にもっと過激なプレイの名前だけ教わった。
そこでCクラスの奴らが輪姦プレイをしていると知った。
ペットプレイ、SMプレイ、スカトロプレイ、緊縛プレイ、羞恥プレイ、苦痛プレイ……。
違法サイトの動画を見ては射精をした。凄く興味がある。物凄く。
毎日Cクラスに行き、している現場を動画で撮影して、家で何度も見た。朝七時に小倉と永瀬がセックスしてるのも、もちろん隠しカメラを使って録画した。
それしか考えられなくなって最近は勉強が手につかない。授業での小テストも零点ばかりだ。
ある時、輪姦プレイが教室で行われなくなった。
どうやら大谷という奴のせいらしい。余計な事を……。
それからは彼らがどこでプレイをするのか探す羽目になった。なかなか見つからない。辿り着いた時には大谷に止められて中断していたり。
朝の隠しカメラしか癒しがなくなってしまった。
それとは別に僕は、趣味としてゲイサイトの雑談ルームで「TAKA」という名前で書き込みをしている。
『学校で輪姦プレイがどこで行われているか分からなくなりました。今日も見つけられなかった、残念』
今日も学校での出来事を書き込んだ。冗談だと思っているのか乗ってくれる人が何人かいた。
たまに、どこの学校? 本当なら犯罪だよ。とガチレスしてくる人もいれば。すごい妄想だね、と取り合わない人もいる。
けど、その中に『詳しく聞かせてください。作り話でも、そういう話を聞くのが好きです』と言ってくれる人がいた。
歳は僕と同じ高校一年生。この掲示板は十八禁サイトだけど、出会い目的としなければ十八歳未満でも一応使える。一応……。
サイトの人に言われるまではいいやと思って使わせてもらっている。
俺は彼に嘘をつかずにありのままを書いた。その度に彼、「UMI」は楽しそうに聞いてくれた。
『明日は輪姦プレイをするところ、見つかるといいですね。人気のないところを厳選して探せば見つかるのではないですか?』
UMIはそう言った。そうだ、今まで闇雲に探していた。今までのプレイ場所を思い出すと、体育倉庫か空き教室、視聴覚室、化学室だ。
そしてようやく彼らのプレイ場所のアタリを付ける事が出来るようになってきた。
けれど、彼らは輪姦プレイをやめてしまった。
中間テストが近いからか? と思ったが、テストを終えてもプレイは始まらない。
僕は再試になってしまった。
永瀬と小倉と梅山の関係性は、朝の盗撮で知っていたけれど、前まではいじめの体(てい)を守っていたのに、今はクラスで堂々と仲良くしている。
朝はその三人に佐々木が追加されて乱交するようになった。そこでは基本的に永瀬と梅山がネコで、小倉と佐々木がタチだ。
小倉が永瀬に入れている時に、佐々木が梅山のチンチンを舐めて、佐々木が永瀬に入れている時に、小倉が梅山に入れている。
そんな乱交は毎日続いた。
他の生徒達が来る前に終わるものだから凄いと思う。
隠しカメラはスマホと連動しているものだ。
毎朝六時半に登校してカメラを設置。自分の教室に戻ってからスマホで七時に撮影開始。
イヤホンを付けて、録画映像を見てオナニーをして、三十分したら撮影を終了。その後は家でもいつでもスマホで映像を見れる。
放課後に隠しカメラを回収して、家で充電をして、また翌朝設置するのが習慣となっている。
意外と見つからないものだ。
『そういえばさ、学校に隠しカメラ設置してるんですよね』
と、ゲイサイトでUMIに教えた。他に見ている人達は作り話だと思っているから『トイレに仕掛けたの?』なんてコメントがされていた。
けど、UMIは『えっと、それはどこに?』と普通に聞いてくるものだから、
『朝七時に乱交してるクラスのロッカーの隙間。意外とバレないんですよ。五月からずっと盗撮してます……なーんてね!』
冗談っぽく返した。だって、本当の話だから知られたらマズイし。犯罪だって自覚はしているよ、でも知られていないのなら事件は発生していないも同然。
僕の中だけで完結していればいい話だ。
『TAKA君の学校楽しそうですね』
ほらUMIだって楽しんでくれてる。よくやく自分の居場所を見つけたような気がしていた。
その翌日だった。
朝はちゃんと撮影されていたのに、放課後カメラを回収しようとしたら、カメラがなかった。
まさかバレた? バレたから無いんだろう。映像内容はスマホの中だから大丈夫だとして……設置したのが僕だって知られたら最悪だ!
今ならまだ間に合う。どうせカメラだけを手に入れたところで映像内容は見れない。すぐに逃げないと、と踵を返そうとした瞬間だった。僕の目の前に永瀬が現れた。
「君は……えっと、誰?」
いつからいたんだろう、僕がカメラを探している様子を見られたのか? 永瀬は不快感を隠す事なく不審な目を向けてきている。
「な、永瀬……」
「探し物はこれかな?」
永瀬は小型カメラを僕の目の前で見せて笑った。目が笑っていない。
あぁ……もう逃げられないのか!?
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