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佐々木君⑩
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落ち着いてから俺はお母さんに莉紅の家に泊まるとメールを送った。
二十三時だからもうお母さん寝てるかも。悪い事したなぁ。
「和秋、一緒にお風呂入ろうよ」
「うんっ」
恋人になった莉紅は、なんていうか前より距離を詰めてきた。俺の腕に自分の腕を絡ませて、一緒に行こうと誘ってくる。
可愛い。本当に俺の恋人なんだな〜……う、嬉しすぎる。ヤバい、幸せすぎて呼吸が難しい。
シャワーで精液を流した後、二人で湯船に浸かる。広いお風呂だ。膝を緩く曲げて向かい合って座ると、莉紅と目が合った。
「大丈夫?」
莉紅が心配そうな顔をしている。
「う、うん。莉紅こそ。百合川達とヤッた後で俺ともなんて。身体大丈夫なの?」
「最近エッチ足りてなかったから、凄く満足!」
「それなら良かった」
「ねぇ、言ってくれないの?」
「何を?」
「百合川達とエッチしないでって」
そういえばその発想をしなかった。目の前で見ていたのに。多分、百合川達に言われなきゃあんな行動は起こせなかったからかもしれない。
「それは……莉紅が困るじゃないか。輪姦されないと身体が疼くんでしょ?」
「また僕の事ばっか。もう輪姦プレイはしない。和秋の為にね」
「なんで俺の……」
「愛する恋人の為なら、僕はなんだってするよ。僕の事ばかりの和秋の為ならね」
莉紅が体勢を変えて、俺の肩に寄りかかった。上目遣いで俺を見てくる莉紅が、色っぽくて、可愛くて、唇にキスをした。
もしかしたら今夢を見ているのかもしれない。覚める前に、莉紅に愛されている時間を堪能したい。
ぎゅっと抱き締めた。
「和秋の心臓の音、速いね。」
「まだ夢みたいなんだ。莉紅が俺の傍にいて、俺を見てくれてる事が」
「夢のままでいいよ。現実になって僕の悪いところとか見られて、嫌われたらイヤだし」
「ならないよ。全部好きだ」
逆上せそうになるまで、二人でずっと抱き合った。
風呂から上がって、俺はパジャマを借りて、二人でリビングに行くと、葵唯もナッキーがいた。
「二人でお風呂? いい気なものね」
「まぁそんな言い方しないでよ」
ナッキーが軽蔑のような眼差しを向けてきた。視線が痛い。莉紅は笑ってあしらってるけど。
そういえば莉紅と葵唯、喧嘩中だったね。
「葵唯、さっきはごめんね」
「ううん。俺こそごめん」
葵唯は必死な顔で頭を下げた。あとは莉紅の反応だけだ。
「ううん、謝るのは僕の方だ。葵唯も夏希もごめんなさい。
僕は和秋と付き合う事にしたよ。もう愛人関係は解消して欲しい」
「えっ、ほんと!?」
「そんな……」
ナッキーは好意的な目を俺に向けて、葵唯は絶望した顔を浮かべた。
「葵唯。この愛人関係は、引きこもってしまった僕の為に考えた事じゃないよね?
葵唯が自分の為に、僕を緑の代わりにする為に提案したんでしょ?」
「……そうだよ」
「その事に関して葵唯を責めるつもりはないよ。確かに、僕も君を緑の代わりにしていたからね」
「それで良かった。それで良かったのに」
「僕は一抜けるよ。ごめんね?」
「莉紅、俺はお前の事、ずっと憎らしかったよ。君を緑だと思うから好きだって、愛してるって思えた。
君から与えられる命令も、緑からの命令だと思ったからこそ、喜びに変わった。
それは莉紅を緑だと思っていたからだ。愛人でなくなるのなら、もうお前は緑じゃない」
ゾクッと怖気が走る。見た事のなかった葵唯の憎悪。莉紅の一番の理解者だと思っていた葵唯は、一番遠い存在だったんだ。
ナッキーもそんな葵唯を見て、不安そうな顔を浮かべている。
「そうだよ。僕は永瀬莉紅だ。でもね、葵唯。僕が君を救ったのは、緑だと思ってした事じゃないよ。
僕は僕なりに君を大事にしていたつもりだし、そんな憎まれてたって知っても、大事な人という事に変わりはない」
傷付いたような顔をしたのは莉紅じゃなくて葵唯の方だ。優しい葵唯の事だから、莉紅にそんな事を言ってしまった自分を責めてしまってはいないか。
俺はそんな心配をしていた。
「……俺、この家から出ていくよ」
「当ては?」
「おばさんとおじさんに言って、一人暮らしをさせてもらう。後の事は俺とおじさんやおばさんの問題だから、君には関係ない」
それだけ言うと葵唯はリビングから出て二階へと上がっていってしまった。
「こんな空気の時だけど、アッキーおめでと」
暗い空気を打ち消すように、ナッキーが俺に笑顔で祝いの言葉をくれた。
「莉紅様も。決め手は? 大谷の事はもういいの?」
「質問責めだなぁ。決め手は監禁陵辱かな」
ギクッとなる。え、それ言っちゃうのか?
「あはは、なにそれ」
「和秋が僕の事好きすぎるって。そんな人、放っておけないでしょ」
「大谷の事はもういいの?」
「いい。お陰で一番近くに一番信頼できる人がいるって気付けたから」
莉紅の言葉に身体が熱くなる。あんなにセックスして、お風呂で抱き合ったのに、また身体を繋ぎたいって思う。
「惚気ご馳走様〜。葵唯君の事は私に任せてよ、きっと莉紅様……おっと、永瀬君とも仲直りさせてあげる」
「うん、ありがとう。無理はしないでね」
「勿論!」
「あと、永瀬君ってやめない? 莉紅君とか、あだ名つけてもいいし」
「……じゃあ莉紅君でいいかな。呼びにくいけど」
「いいよ」
ナッキーは手を振ると葵唯を追いかけて二階へと駆け上がった。後は任せるしかない。
「莉紅、もう寝ようか?」
「そだね」
俺と莉紅も一階の電気を消して、二階へと上がった。階段を上がってすぐ見える部屋がいつものヤリ部屋で、その向かいが莉紅の部屋だ。
莉紅の隣の部屋は葵唯の部屋。今頃、ナッキーが慰めているんだろうか。
中に入るとシングルのベッドが一つと、学習机、本棚、ウォーキングクローゼットのノブに制服がハンガーに掛けられている。
「和秋、こっち」
シングルのベッドに二人で入る。ちょっと狭いけど、横向きになってしまえば問題ない。
俺は腕を伸して腕枕にした。
「莉紅、頭の高さ大丈夫?」
「うん。和秋は重くない?」
「重くないよ。莉紅が重いわけないでしょ」
「あはは、重いよ〜。でも和秋の方が身体は大きいもんね」
「それなのに俺が受けなんてなぁ」
「なに、僕に入れたいの?」
「ま、まさかっ」
「何その態度〜。もう僕は君の彼氏であって、ご主人様じゃないんだよ?」
なんか寂しい気分だと思っていたのはこれだ。
莉紅と付き合えて嬉しいのに。
「俺のご主人様でいてもらえないの?」
「え?」
「俺、莉紅にお仕置きされるの好き──」
「あはは、だよね。僕が甘えてるのに何も言わないから良いのかと思ってたよ。明日は休みだし、朝まで調教しようか? 地下室で」
それは激しいプレイをしてくれるという意味だ。ワクワクもしているけど、ドキドキの方が強い。
「さっきより心臓の音激しいんだけど。僕よりプレイの方が好きなの〜?」
「莉紅が一番だよ。でも莉紅に虐められるの興奮する」
「凄い、おチンポ勃ってるね。じゃ……」
「地下室に……」
「おやすみなさ〜い」
「ええっ? 今の流れは地下室で朝までお仕置きじゃ?」
縛られて、鞭打たれて、アナルにディルド突っ込まれながらチンポを虐められる想像しちゃったよ。
してくれないなんて!
「お仕置きする理由ないし。今から悪い事してもダメだからね。和秋には僕の恋人になってくれたご褒美として、このまま放置してあげる〜」
「あ、そうだ! 俺、縛って無理矢理セックスしたじゃん! 悪い事した!」
「それが悪いかどうか決めるのは僕だよ〜。ようやく和秋が胸に溜めてたもの吐き出してくれたんだもん。悪い事じゃないよね」
「そんな〜」
その夜は興奮による勃起と、莉紅が恋人になってくれた嬉しさとで眠れなかった。
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