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係決め
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「はーい!!はいはいはいはいはいはい!!!!!」
「うるっせえ代田ァ!叫ばんくても聞こえる!」
「まっちゃんの方がうるせえよー」
「松木先生と呼ばんか!」
「はーーい」
俺の適当な返事にまだオラオラ言ってるのは、生徒指導、兼、担任のまっちゃん。
もう50代とかだったはずだけど、元気だよなあ。
今朝も校門で叫ばれたし、なんなら去年も担任だった。
長い付き合いってやつよ。
「ハァ……お前、本気で図書委員やんのか?」
「やる!マジで、本気でやる」
今はクラスの係決め中。
確かに、図書委員とかは俺のがらじゃない。
本読むより体を動かす方が好きだ。
もっぱら例年は体育委員とか、そういうの。
胡散臭げな目をまっちゃんは向けてくるが、俺はやるって言ったらやるんだ。
本運ぶのとか、重労働には俺向いてると思うぞ。
「他にいないよな?」
クラスを見渡しても他に立候補者はいなさそう。
まっちゃんはしぶしぶ、黒板に俺の名前を書いた。
俺より先に立候補していた、城田慶、という名前と共に。
係の取り合いじゃんけんが行われている中。
つんつん、と前の背中をつつく。
「………」
そこですっと振り向いてくれる城田。
やっぱり、愛想悪くねえと思うんだよなー。
良くもねえのは確かだけど。
「よろしくな、シロタケイ」
「……なんで、図書委員に、」
そこで少し、シロタケイは眉間にしわを寄せた。
「(お、初めて顔変わった。)え、嫌?ごめんな」
「いや……嫌とかでは、ないけど」
「マジ?なら良かった!」
なんか複雑そうな顔はしてっけど。
美形は悩んでる顔も美形だな。
ていうか、なんだ。
俺が図書委員を希望した理由だっけ?
「理由は、そりゃシロタケイと仲良くなりてーからよ」
「………」
余計に眉間のしわが増えた。
なんで仲良くなりてえって言ってその顔なんだ。
やっぱおもしれえなあコイツ。
ま、クラスもこれからだし、委員も同じやつゲットできたし。
これから、おいおい。
「よろしくな」
俺はもう一回、念押しで、笑いかけた。
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