アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
核心
-
沈黙を破ったのは伊嶋だった。
「小郷さん、落ち着きました?もし、疲れてるんだったらオレ今日は帰りましょうか?オレは大丈夫ですから。」
伊嶋に気を使わせてしまった。
こんなことじゃダメだと、オレは決心した。
「いや、大丈夫。ごめん、気を使わせてしまって。オレの話、聞いてくれるか?」
伊嶋は、少し身じろぎしてから静かに頷いた。
オレは、少し息を吐いてからなんとか声を絞り出す。
「実は、オレ…男が……。男が好きなんだ。」
言った。言ってしまった。緊張しすぎてうまく声がでなかったが、確かに今、オレはカミングアウトをした。
怖くて伊嶋の顔を見て言うことができなかったため、恐る恐る伊嶋の方を見る。
伊嶋は、よほど驚いたのだろう、何か言いたげに口を開けてはいるが言葉が出てこない様子だった。
オレは、また少し深呼吸をして今度はしっかり声を出せるように力を入れて話を続けようとした。
「驚かせてごめん。引いた…「引いてなんてない!」
しかし、オレの言葉は途中で伊嶋の大声によって遮られた。
今度は、オレが驚いて開いた口が塞がらなかった。
「あ、ごめんなさい大声出して。でも、本当に引いないです。それにー」
途中で伊嶋は口籠もり、話を遮ってすいません、とオレに話の続きを促した。
伊嶋が何を言おうとしたのかは気になるが、まずはオレが話をするべきだろうと思い、今度は水で喉を潤してから話しを再開した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 26