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〜第1章〜「恋味のガム」(2)
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食堂には4人くらいメイドがいて1人執事がいた。
(凄い…)
そして、長テーブルの上には沢山の料理が並んでいた。その料理に俺は目をキラキラさせた。
「思う存分食べて下さいね。席はどこでも構いませんよ。」
「はい! あ…あの…沢山椅子があるんですが、他に人がいるんですか?」
そう俺が言うと、エドさんは少し悲しい顔をして黙ってしまった。
「す…すみません。こんなことを聞いてしm…」
「私、家族が居ないんです…生まれたからこの家で育ってきましたが、生まれた頃から家族はいませんでした…」
エドさんは俺の言葉に被せるように言ってきた。
「そうなんですか…本当にすみません…」
「いえ、大丈夫ですよ。さぁ、早く食べましょ。」
エドさんは少し悲しい表情を浮かべて言った。
「はい。」
俺はエドさんが座った後にエドさんの近くに座った。
(やってしまった…エドさん、俺のこと嫌いになったかな…)
エドさんは夕食を食べ始めていた。
俺も夕食を食べ始めた。1口食べると
「美味しい…」
と、俺は泣きながら言った。
エドさんは慌てた様子で「大丈夫ですか?」と話しかけてきた。
「大丈夫です。ただ、こんな美味しいもの食べたことなくて…」
エドさんは俺と初めて会った時の笑顔をして優しく撫でてくれた。
「美味しいって言ってくれて嬉しかったです。ありがとうございます。」
俺は嬉しくなってエドさんにつられて笑ってしまった。
「あの…良ければ私の館にすみませんか…私も寂しいので…」
「いいんですか!?」
俺は嬉しさに思いっきり立ち上がった。
「はい!」
「ありがとうございます!」
「今日から家族ですね!」
そう俺が言うと、エドさんは笑って
「そうですね。」
と言った。
それから俺たちは沢山話して沢山食べた。
気づけば沢山あった夕食は全て無くなっていた。
「お腹いっぱいです。」
「そうですね。そろそろ戻りましょうか。」
「はい!」
俺たちは「ご馳走様でした。」と言って席を立った。
エドさんと廊下を歩いていると、急に玄関から大きな音がした。その音に俺はびっくりしてしまった。
「すみません。友人が来たようです。」
こんな時間に友人が来るのか?
そんな疑問を持ちながら俺は、中階段から玄関へ向かうエドさんについて行った。
エドさんは1番大きな玄関の扉を開けた。扉には青いフードを被った人みたいなのがいた。
「やっほ〜、会いに来たよ〜」
俺は咄嗟にエドさんの後ろに隠れた。
「はぁ…カイさん、急に来ないで下さいよ。」
フードを被った人みたいなのは俺の方を見てきた。
「なぁ、そこにいる半獣人は誰だ?」
「私の家族ですよ。」
「ふ〜ん」
よく見るとフードを被った人みたいのは紅い瞳をしていた。
(これ、人じゃない…ヴァンパイアだ…初めて見た…)
「ねぇ君、名前なんて言うんだ?」
俺はエドさんの後ろに顔を引っ込めた。
「教えてくれなさそうだな〜…うーん…なら、エドが教えてよ。」
「私からも教えません。分かったらもう帰ってください。」
「え〜、せっかく遊びに来たのに〜。」
「こんな時間に遊びに来る馬鹿がどこにいるんですか…」
「だって、昼間は外に出れないんだもん。」
「今日は雨でしたけど?」
「ウッ…ハイハイ、帰るよ」
「とっとと帰ってください。」
そうエドさんが言うとフードを被った人みたいなのは羽を出して、俺に言ってきた。
「半獣人の君、俺の名前は「カイ・ティア」だ。種族はヴァンパイア。覚えといてくれよな。」
やっぱりヴァンパイアだ。
「ティア…ティア家!?」
俺が驚いている間にティアさんは飛んでいった。
「ティア家って…あの、有名な…」
「そうです。カイはあの四天王に入る「レイ・ティア」の息子なんです。」
「そうなんですか。」
俺は正直に言って、あんまり興味がなかった。まず、俺はティアさんが嫌いだ。
なんでかって?だってティアさん、めちゃくちゃエドさんに近づいてくるもん。なんか、胸のとこがモヤモヤすんねん。嫉妬って言うんかな?
「ミクロさん、部屋に戻りましょうか。」
「はい。」
そう言って前の部屋に戻った。
「そういえば、ミクロさん。新しい部屋いりますか?さっきまで私の部屋だったので、二人でいるとさすがに狭いかと思いますので。」
「はい。」
「なら、後で場所を選んでください。」
「分かりました。」
「部屋の中はみんな一緒なので安心してくださいね。」
と、俺たちは廊下を歩きながら喋っていた。
「あっ、そうだ。」
「なんですか?」
「ガム食べますか?ラズベリー味」
「はい。食べたいです。」
「はい、どうぞ。」
エドさんは包み紙から紫っぽいガムを出して俺にくれた。
「ありがとうございます。」
そう言って俺は食べた。ガムは少し甘酸っぱい味だった。
「美味しいですね。」
「ありがとうございます。あっ、着きましたよ。え〜と、場所は私の部屋の正面か右隣、右斜め前、左斜め前ですね。それか少し離れた場所がいいならそこでも構いませんよ。」
「えっと…エドさんの部屋の左隣は何があるんですか?」
「あ〜、ここですね。ただの武器倉庫ですよ。」
「そうなんですか。部屋はエドさんの部屋の右隣がいいです。」
「分かりました。じゃあ、今日からここがミクロさんの部屋ですね。」
エドさんは俺に綺麗な笑顔を見せてそう言った。
「それじゃあ、私は仕事がありますので部屋に戻りますね。」
「はい…」
エドさんはそう言って部屋に戻った。
(今日はエドさんと一緒に寝たかったな…)
俺はそんなことを思いながら新しい部屋に入った。
2020年3月13日
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