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「い、やっ……!」
「なぁ優斗、正直にいえよ。隠していたら辛いだろ」
「ふん、あ……っ」
下着越しに性器をイジる手。
自分で触るよりも数倍は気持ちのいい愛撫にゾクゾクと疼いて息苦しくなってくる。
背徳感や罪悪感から紅潮していく顔を亮雅さんの肩に埋めた。
「あ、ん……もう、触らな……」
「我慢すんなよ。こんなんじゃ、前キツいだろ」
「ンンっ」
閉じかけていた股も、亮雅さんの刺激に自ら触ってくれと開放する。
囁くような声だけでドロドロに溢れた汁がスーツパンツを濡らした。
「あぁ……は、ん……やめっ」
「ふ……そんなに気持ちいいか」
「気持ちく、なっ……んぁ」
膝がふるえて、亮雅さんの服をつよく握る。
下着の中で精液が吐き出され、羞恥心に身をよじった。
「ハッ……は、ぁ……っ」
「興奮しすぎだぞ……すっげえエロい」
「ちがっ……生理、現、んっ」
重なった唇のすき間から舌が入ってくる。
腰を支える亮雅さんの手にゾクッとして、無性に泣きたくなった。
「んぅ、ふあ……ン」
好きだ……亮雅さんのキス。
強引なのに、愛情を感じる。
「……1人でシてただろ、お前」
「っ! あ……」
緊張感が抜けてまた汁がにじむ。
「なんでやめんの」
「そ、んなの……シて、ない」
「嘘いえよ。優斗はやましいことがあると俺に対しても挙動不審になるからな。つーかそんなガチガチにしておいて隠せると思うな」
「……」
体温上昇と心拍数の増加で死にそうだ。
いやむしろ死にたい。
「もう殺してください……」
「ほーら出たぁ。生理現象じゃねえの」
「……っ」
片腕に抱きしめられ、ポンポンと頭をなでられる。
それだけで涙がにじむ自分の弱さに笑える。
「可愛い可愛い」
「……子ども扱いしないでほしいです」
「バーカ、嫁扱いだよ」
「ちょっと……1回死んできます」
「おい、やめろ」
ダメだ。
亮雅さんとずっと一緒にいると甘えてしまう。
分かっているのに。
このままじゃいけない事くらい。
「風呂入ってこいよ。なんか買ってんなら、飯作ってるわ」
「っ、それはダメです」
「なんで?」
立ち上がった亮雅さんの手をとっさに握ってしまった。
「俺が……作ります。夜ご飯」
「その闘争心にあふれた目はなんだ。シェフでも目指してんのか?」
「そ、そうじゃないですけど」
「遠慮すんなよ、疲れてねえから。悪いけど上着だけあと頼んだ」
「…………分かり、ました」
また意思を曲げてしまった……
これじゃあ、出会った頃となにも変わらないじゃないか。
亮雅さんの優しさに甘えていく自分が怖くて、こうではいけないと頭では思う。
それが行動に移せない自分自身への制御のようなものを、俺は無意識に探していた。
『俺には克彦しかいないから』
いつの日か克彦にいった俺自身の言葉。
どうして今思い出したのか。
亮雅さんとベッドに入って1時間近くが経ったが、一向に眠れない。
目をつぶると、まぶたの裏に暗い景色が張りついて離れなくなる。
俺には克彦しか…………
違う……克彦は元々、俺のものじゃない。
幻想だったんだ。
"俺"が依存していた。
それが、まぎれもない事実だ。
「……」
じわ、と目頭が熱くなり手で覆う。
世間体からすれば、ひどいと言われるのは俺の方かもしれない。
俺自身の人生なのに、そのすべての責任を克彦に任せて生きてきたのだから。
「っ…………ごめ、ん……」
「優斗」
「!」
背後から腕が伸びて、亮雅さんの方へと抱き寄せられた。
そっと抱きしめたその手は俺を慰めるようになでてくる。
心地よくて、温かい。
「なにも考えなくていいから……寝ろ」
「……起きて、たんですか」
「お前は優しすぎなんだよ。その優しさを自分にも向けてやれ」
「…………」
髪をなでる亮雅さんの手が優しくて目をつぶる。
「陸がこの前、小学校のクラブ案内を見てたんだけどよ。あいつ手足短いくせにバスケやりたいっていってたんだ。笑えるよな」
「……止めたん、ですか?」
「いや。誠がバスケに興味持ってて、それを知ったから一緒にやりたいんだと。あいつは俺に似てるよ、本当に」
「……」
似ている。
たしかに陸は亮雅さんにそっくりだ。
優しくて、友人思いで、まっすぐ前を向いている。
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