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救世主は突然に
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「綺麗すぎる字だな」
「そ、そうですか? 結構適当に書いたんですけど」
出版社に出すものだからと丁寧に書いていたことは間違いない。
だが、亮雅さんに書類を出すよりも緊張感がなくて思ったよりも雑になっていた。
「俺さ、冗談じゃなくて本当に優斗はなにか挑戦してみた方がいいと思ってる。それ以外にも」
「……これ以外」
「そうだ。たとえば……なにか人に見られること」
「でも、そういうのは」
「怖いのは知ってる。無理にやれとは言わねえけど、苦手だからって挑戦しないのはもったいない。他の人間は持ってない素質を持ってるはずだ」
髪をなでて話す亮雅さんの優しい声色に心臓がドクドクと鳴っている。
無自覚ならかなりの強者だが、亮雅さんは意識しなくとも格好がついてしまう。
「あの……耳は、ちょっと」
「腰動かすなよ。期待してんの?」
「ちがっ、亮雅さんの触り方が変……だから」
耳たぶを滑る指は徐々に下りていき、胸元に触れようとして手で阻止した。
「今は……ダメです」
「顔赤いけど」
「っ、亮雅さんが急に……ん、っ」
流れるように塞がれた唇。
リップ音が耳に響くたび下半身がゾクゾクとうずいて気持ちいい。
自ら快感を求めて舌を絡ませると、脳が痺れて思考停止する。
「ん、ふっ、ぅ……」
キスだけでじわりと滲む下腹部を隠すために座り直したとき、亮雅さんの指先が乳首に触れてビクッと反応してしまった。
「んっ」
「……反応しすぎ」
「や、違います……今のは、」
「そうだな。優斗は官能小説も読まねえくらいピュアだしな?」
「ッ……」
先端の突起に触れないよう胸をまさぐる手の感触に規則的に震える。
もどかしい快感は苦しい。
それを分かっていて亮雅さんは触れてこない。
「は……はぁ、ん……いゃ」
「上と下、どっちが好きなんだ」
「そ、んなのっ」
言えるわけ……
煽るような触り方をするから、呼吸まで荒くなって恥ずかしい。
「下責めんのもありだけど……お前はこっちの反応もいいよな」
「あっ、ん」
唐突にやってきた先端への刺激。
声が我慢できなかった。
カッと熱くなる顔をそらして亮雅さんの手を掴むと首筋にキスされた。
「はぁ……いじるの、いやです……」
「どこを」
「っ…………んぁ、乳首……弱」
「本当に嫌なら、もっと逃げたらどうなんだ」
耳許で繰り返される言葉責めに羞恥心が募っていく。
たしかに俺は嫌だと言いながら完全に身を任せていて、まったく説得力がない。
「だ、て……あっ……ん、」
「あんま声出してると陸が起きるぞ」
「むり、ふ……っ、はぁ……」
一番敏感な先を優しくいじられる。
それがこの上ない快感となって震える手を抑えられない。
「ゃば……出、」
「我慢しろ。まだ下触ってねえだろ」
「で、も……あんっ、そこは……」
下半身になにか、せり上がってくる感覚がする。
まだ僅かに残っている男のプライドがせき止めようと食いしばるが、耳を舐められた瞬間それは負けに終わる。
ビクビクと腰が揺れた途端に下着の中が生暖かさに包まれ、これ以上ないほどの羞恥に襲われた。
「っ、ンン……! は、はーっ……」
「……なにイっちゃってんの。そんな開発した覚えねえんだけどな」
「あ、あんたが……ヘンに触るからッ……」
「ふくく……いちいち可愛い反応すんのな。陸が起きてたら大変だったぞ」
「ッ、もう離してください。服が汚れたじゃないですかっ」
紅潮した顔を隠す場所がない。
早くここから離れたくて立ち上がろうとすると、スマホが鳴り始める。
「え、こんな時間に……?」
「あー悪い、アラームの時間設定間違えた」
「…………ぷふっ」
「笑ってんじゃねえよ」
さっきまで男前で大人びて見えた亮雅さんが、途端に可愛く見えてくる。
なんで言葉責めするような人がそんなミス……
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