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スマホで撮った写真は今日だけで20を超えた。
自画自賛してどれも綺麗で見るたびに癒されてしまう。
途中で撮った隅田川も、太陽の光が反射して美しい青色をしている。
「優斗、飲みもん買いに行くぞ」
2時間ごとに借りられる個室の休憩所へ到着し、買ったものの整理をしていた亮雅さんが立ち上がる。
はい、と間の抜けた返事をしてついて行く。
だが外に行こうとした途端にドアを閉められ、「え?」と声が出た。
「やっぱ、先にこっち」
「へ、あの、んっ……」
後頭部を優しく支えられ、重なった唇の隙間から舌が挿入される。
敏感になった上あごへの刺激でビクッと体が跳ね上がり、盛り上がりそうな下半身の突起を脚を閉じて隠す。
「んん、は……へぁ……」
快感に力が抜け、じわりと下着が濡れてしまう。
離れようと強くもがいてみるが亮雅さんは俺の倍ほど筋力がある。
日頃から重い宴会道具を運んでいる男に敵うはずがなく、簡単に引き戻された。
「は、ぁ……んむ、ふ……亮……っ」
「………は、また泣いてんの」
「泣いて、ないっ……」
気持ちよくてワケが分からないだけだ。
涙腺がおかしくなっていて溢れ出す涙に亮雅さんは困惑した顔を浮かべる。
「おい、そんな嫌だったのか」
「違い……ます、嫌なんじゃ、」
「あーあ、顔がグシャグシャじゃねえか。ほら、落ち着けよ〜」
そっと抱きしめられて子どもをあやす様な声が耳に届く。
それが心地いいと思ってしまう俺も俺だ。
亮雅さんに癒されるのは嫌いじゃない、かもしれない。
「優斗のことが好きすぎてどうかなりそうって……俺が言うと嘘くさいのかねえ」
「……」
「結婚は恋愛じゃないと何度も聞いてきたけどな。やっぱり……お前がいいよ、俺は」
「も……言わないでください、恥ずかしい……んで」
「陸語ならいいか? ゆしゃんがいい、大好きだもん! ってな」
「あー……それを亮雅さんが言うと、ちょっとキモいです」
「おいコラ」
優しかった手が突然に頬をつまむ。
さっきまで涙が止まらなかったのに、今度は途端に可笑しくなってきた。
自分はどれだけ情緒不安定なんだ。
「ぷふっ……だもん、て」
「分かった分かった、もうその話は終わりだ。そこに座れよ、飲みもんは俺が買ってくる」
「え、いや、俺も……」
「泣き腫らした顔で外出んなって。また襲われんだろ」
「……」
亮雅さんはそう言って個室を出ていった。
取り残された俺は無言のままその場に固まる。
…………というか、俺を襲いたがる男の心理が分からないんですけど。
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