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ちがうひと
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寒い、怖い...
空は真っ暗で、狭くて細い路地裏を歩く。
「...どこ......?」
フルフルと周りをみても誰もいなくて、心細くて小さな声で昔よく呼んでいた人の名前を呼ぶ。
「ぜん兄、ぜん兄...!!」
けどぜん兄はいない。
すると、前から誰かが進んできた。
...ぜん兄......?
背丈が高くて優しい、俺の憧れの人の懐かしい匂いに顔を埋めたくて、その人に向かって走る。
「ぜん兄!!!」
ぱっと抱きつくと、ぜん兄だと思っていた人影はフードを被った知らない人だった。
悲しくなって、焦って離れて謝る。
「あ、ごめんなさい...」
瞬間、痛みと快感が全身を襲って倒れてしまう。
...なに.....??!なんで...!?
ぜん兄...ぜん兄じゃない...
フードの男が知らない内に2人になって俺を犯しはじめる。
喘ぎながら助けて、助けてと叫んでも誰も来てくれない。
まっくらで、さむい、せまい、いたい
ぜんにいは、いない
「ごめんなさい、ごめんなさい...」
謝り続けても続いた行為は、また知らない内に終わっていた。
じんじん体が痛いのと、快感の後の怠さで動けないでいると、体がふわりと浮いて暖かくなった。
......ぜん兄かな...
嬉しくなってぎゅ、と手を握ると、全然違う、ゴツゴツしてて大きな手が俺を抱きしめていた。
ぜん兄とは全く違う、覚えのある生意気な手に頼りたくて、縋りたくてどうしようもなくなる。
目を開けると、白い天井と目が合った。
さっきとは相反する場所に戸惑って、フルフルと首を振る。
何か声が聞こえて、記憶が一気にフラッシュバックした。
怖い、痛い、やだ...!!!!!
怖くて叫んで分からないものから逃げようとして、手と足を一生懸命動かして暴れる。
とたんに捕まえられて誰かに抱きしめられる。
「ごめんなさ、い...ごめんなさい、ごめんなさい...!!」
「謝らんでいい...俺や...レイや...!!大丈夫やから...!!」
何度も何度もごめんなさいと言った。
痛いのはもう、やだ...
ポロポロと涙を流して訳が分からなくなっていたら、頭をわしゃわしゃと掻き回された。
あ、これ
レイ......
きゅうううう、と胸が苦しくなって、頭を撫でる手に安堵する。
レイ...レイだ.....
心が落ち着いて、知らない人にされた痛い行為とは全く違ういつもの手に助けられる。
その手馴れた心地良さがあったかくて触れたくて、上手く動かなくて痛い体を動かし、頭を撫でるレイの手を握った。
レイは優しく微笑んだ。
「大丈夫やで...大丈夫やから...」
何度も頭を撫でて、何度も大丈夫と言ってくれた。
ずっとレイにこうやって、頭を撫でてもらえればなあ、と思った。
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