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無自覚
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朝起きたらつむぎがまだ寝とって、時間を見たら既に10時過ぎやった。
学校行けんな...どっちにしい休むつもりやったけど...
横に眠る黒髪をふわ、と撫でてうーん、と大きく伸びをした。
「んー...」
ごそごそとつむぎが動いて、俺にすり寄る。
「はは、かわええなあ...」
つむぎの服の合間から見える怪我の後を消すようにキスして、俺はつむぎの小さなベッドから起き上がった。
「っさ、朝ご飯...いや、昼ごはんになるやろな...作ろか〜...」
つむぎの部屋をでて廊下を渡りリビングを除くと、あまり使ってなさそうな綺麗なキッチンが見えた。
「ちょっと失礼するで〜」
1人で冷蔵庫に挨拶し開けると、ちらほら食材が見えた。
料理はちょびちょびって感じやな...
いつもつむぎが持ってくる不格好なおにぎりを思い出して納得がいく。
ほんま不器用やでな〜...かわええけど...
フフ、と笑いながら昨日の夜机に置きっぱにしてしまっていたベアードママのシュークリームを、冷蔵庫にそっとしまう。
つむぎ起きたら食べさしたろ。
そう思いながら材料をいくつか出し、昼食の準備をした。
玉ねぎとひき肉を取り出して味付けした所に炊いておいた白ご飯を混ぜる。
そこにケチャップを追加して炒めるといい匂いが漂ってきた。
「そろそろつむぎ起こしに行かななあ」
手馴れた手つきでひょいっとケチャップライスを卵に包み、お皿に移す。
出来たオムライスをキッチンカウンターに置いて時計をみると、12時半を指していた。
あんな事があった訳やし、疲れたんやろな...
つむぎはベッドで気持ちよさそうにすやすや寝とった。
「つむぎー!!起きてえやあ!!」
「ん...」
少しもぞもぞしてからつむぎはまたパッと目を見開いた。
おはよ、と眠そうに答える。
髪の毛がくしゃくしゃになっとってちょっとおもろい。
もう昼やけど、と伝えると、つむぎの顔が百面相みたいにコロコロ表情が変わってこれもおもろかった。
......かわええなあ...
「れっ、レイ!!今日学校!!!」
「そんなん休んだらええやん、1日ぐらい体休めた方がええで」
「そう...だけど......」
慌てるつむぎの頭を撫でてにやっと笑うと、つむぎは渋りながらも了承してくれたみたいやった。
「ほら、お昼ご飯できるまでこれ食べときや」
「ん....ってこれ!!!!」
つむぎを起こしに来る前に冷蔵庫から出しておいたシュークリームを差し出すと、つむぎはぱぁぁぁっと表情を明るくした。
「いいの!?」
「ん、元からつむぎに、と思って買っとったやつやから」
「ありがと....!!」
いつもとは違って素直なつむぎの笑顔にきゅうっと胸が締め付けられる。
レイの分は...??と心配するつむぎに、俺甘いもん苦手やねん、と伝えると、少し遠慮しながらもつむぎははぷっ、とシュークリームを食べ始めた。
昨日の怯えきって震えていたつむぎを思い出して、元気にシュークリームを食べるつむぎをみて少し安心した。
...元気になれとるみたいやし、一時的にでも忘れられとるんやったら...良かった......
そう安心してつむぎが食べ切るのを待っていると、ふっと口の横についたクリームが目に付いた。
つむぎは気づいとらんらしい。
かーわええ...
無性につむぎに触れたくて、ぺろ、とつむぎの頬についてるクリームを舐めた。
「つむぎ、付いとるよ」
「...え」
つむぎは大きな黒目をめいっぱい開いたあと、何をされたのか自覚してまっかっかになっとった。
「!?!!?!!」
「フフ、つむぎ真っ赤」
ほんま、おもろいしかわええなあ...
ニヤっと笑ってみせると、つむぎはプルプルと震えて俺の胸を殴ってきた。
「いたっ!!つむぎ痛いやん〜...」
「うっさい、あっち行け」
「ひどっ!!!」
痛...めっちゃ元気やん.....
まあでもそれもつむぎなりの照れ隠しなんやろな...かーわええ
胸を擦りながらつむぎがむくれてる顔を見て、また胸がきゅ、と締め付けられた。
そういや、昼ごはんのこと忘れとったな...
ちらっとつむぎの方を見ると、また百面相しとるんか1人でなんか考え事しとった。
....今のうちに準備しとこか...つむぎシュークリーム食べ終わったみたいやし...
そう思って部屋を出ようとした時やった。
「....あ、のさ」
「ん、なんや?」
考え事が終わったらしい、つむぎは目線を下に向けて喋りだした。
...流石に意地悪しすぎたやろか??
「やっぱなんでもない...」
「嘘やん、ちゃんと言うて」
じっ、とつむぎを真っ直ぐ見つめると、つむぎはまだ迷った素振りをしとったけど、何かを決めたように俺に向き直って口を開いた。
「他の人でも、するの...?」
「ん?」
他の人...?
「レイは...俺以外の奴がもし同じことになったとしたら...昨日みたいに...キ....ス、したり、ぎゅってしたり...するの...?」
「......」
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