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大丈夫やから...
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男たちを殴ったはずやのに、怒りが収まるどころかまたふつふつと湧いてくる。
でもまずはつむぎや...
弱々しく倒れている男たちを一瞥して、つむぎのスマホを探そうとする。
「...あんしん、する......」
ふいにつむぎが、掠れた声で呟いた。
「大丈夫やで、つむぎ...」
きゅう、と胸が苦しくなって、腕に抱えたつむぎをぎゅっと抱きしめる。
「そ、か...」
つむぎはふにゃ、と笑いながら俺の腕を辿り、手を握った。
弱々しくて、今にも折れてしまいそうやった。手は冷たくて、体は沢山傷ついとった...
この場所から漂う匂いも、つむぎの尻から垂れてくる白い精液も、今すぐ掻き出して上書きしたい気持ちに駆られながら俺はその路地裏を見渡した。
男たちのスマホから画像や動画は全て消しておいた。
どうやら俺らとおんなじ高校らしい。
つむぎのスマホを手に取り、つむぎを腕に抱きしめながら路地裏を出た。
つむぎの家に着いた時には、もう夜中の12時を過ぎとった。
パッと見て、制服を着ててもつむぎは酷い状態やったから、電車やなくて歩いてつむぎの家まで戻った。
つむぎの持ち物やポケットから鍵が出てこなくて焦ったけど、ポストを除くと鍵が入っとった。
やっぱり...
不用心やな、と思いながらつむぎの家のポストから鍵を取りだし中に入る。
覚えのある部屋に行きベッドに寝かせた。
つむぎは路地裏を出る前に気絶してしまったけれど、俺の手は離さなかった。
俺も手を離さなかった。
手を離したらつむぎが消えてしまいそうで怖かった...
ビアードママとお気楽に書かれたシュークリームのパッケージをベッドの近くにあった机に置いて、気絶したつむぎの体の状態を見た。
「なんなんや、これ...」
服を剥ぎ取るともっとひどかった。
噛み跡が沢山着いていて、体が所々殴られたように赤黒く、鼻には鼻血を出したあとが付いていたしお腹にはスっと切られて血が固まった跡があった。
尻も真っ赤で、たくさん打ち付けられていっぱい傷ついたんやろう、穴も切れとる...
体を触って確かめていたら、つむぎがぱっと目を開けた。
「つむぎ、痛かった...?」
声をかけたけど反応はなくて、一瞬フルフルと首を動かして瞬きしたあと、
「...ッア、!!!ぁぁあ...ごめん、なさ...!!」
つむぎはぱっと目を見開いて半狂乱になりながら謝りだした。
息は浅くてばたばたと手足を動かしてベッドから滑り落ちる。
「つむぎ!!つむぎ!!」
出ていこうとするつむぎを捕まえて抱きしめた。
「ごめんなさ、い...ごめんなさい、ごめんなさい...!!」
「謝らんでいい...俺や...レイや...!!大丈夫やから...!!」
えぐえぐと泣きながら、痛む体を無理やり動かして逃げようとするつむぎを強く抱きしめる。
胸がきゅう、と苦しくなってつむぎを守ってやりたくて、いつもみたいにわしゃわしゃと頭を撫でるとつむぎは次第に落ち着いて行った。
じたばた暴れるのをやめても体の震えは収まらないのか、つむぎのことを撫でる俺の手を、白くて細くて傷だらけの手で、ぶるぶると震えながら弱々しくきゅっと握った。
「大丈夫やで...大丈夫やから...」
俺に抱きしめられ撫でられるつむぎになんども大丈夫、大丈夫と声をかけて撫でた。
つむぎは思ってたよりずっと小さくて弱々しかった。
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