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友達
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ぼんやりと窓を眺める。
「......」
あの事件から数日経って、今は嘘みたいに平和だ。俺をレイプした奴らも、あれから一切会っていない。
いつもどうりの日常.....レイを覗いては。
あの事件があった夜、レイは俺にすきだと言ってくれた。
『すきやで、つむぎ』
力強い腕に抱きしめられて、俺もびっくりしてレイに腕を回す。
レイの体は、大きくて筋張って細くて、かっこよかった。
その時のことを思い出すと顔の体温が上がる。
「...でも、どう言う理由でなんだろ」
レイは俺に好きって言ってくれたけど...その後ケロッとした顔でお昼ご飯取りに行ったし...
もしかして、友達としての...??
わからなくて頭を抱えるのも、何回目か分からない。
ただ、レイはあの日からも、いつも通りだった。
...普通の友達、って感じ。
男同士でそれ以上もそれ以下もあるもんかと言われるかもしれないが、俺にとっては好きな人。
...友達だとしても、レイと居られるだけで嬉しいと思う。
...思わないといけない。
あの時のレイの"好き"が、友達の好きだったとしても。
「......」
『すきやで、つむぎ』
そう思い込んだ瞬間、レイの言葉が脳裏を過ぎって胸がチク、と痛んだ。
もしもレイと好きだって言い合える仲なら。
......
「つむぎー!弁当食べるでー!!」
「はいはい...」
いつも通りの良い顔が俺を覗き込む。
今日食べたおにぎりは、そんなに美味しくなかった。
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