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似てないけど似てる
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「なに...!?」
ばっと嗅がれたところを手で覆って、声が出てしまった恥ずかしさと急に距離が近くなったことでつい引き気味になってしまう。
「...レイの匂いがする」
「...は!?」
レイ...
今レイって...!?
しどろもどろしている内に、またふんふんと次は髪の毛に顔を埋められる。
近いって...!!
「やっぱレイの匂いだ!!ってことは君かあ」
「は...え...??」
やっぱってことは...知ってるのか!?
「レイのこと...知ってるの...?」
「そりゃ知ってるってゆーか、俺とレイは親違いのきょーだいって感じ!!」
きょーだい...
レイに兄弟!?
俺はレイの家庭事情をよく知らない。一人っ子なのかな、ぐらいの認識だったし、レイの家でレイの家族を見ることは無かった。
...親が違う兄弟......
だから気づかなかったのか...
レイの家庭の事業はよく知らないし、あまり聞くのも良くないのかな、とそれ以上詮索はしなかった。
「ほら、着いたよ」
知らないうちに学校に着いていたらしく、リウが先に降りてエスコートしてくれる。
何しても様になるとこはレイと似てるんだな...
顔は似てなくても、仕草や態度や何でも格好が良いところは一緒なんだな、と思った。
「ありがとう...」
お礼をして降りると、リウが料金を支払っていてくれていて、俺は慌てて財布を出した。
「ごめん、何円だった?」
「いいよお〜。これぐらい」
にぱっと笑ってタクシーに「ばいば〜い」と手を振り終わったあと、リウは俺に向き直って、
「じゃ、今度お礼してね」
と微笑んだ。
最初からそれが狙いだったんじゃ...と思ったけど、実質タクシーに乗せてくれたのはリウだから言わないでおいた。
お礼って何すればいいんだろ...??
何もしないのも悪いし...
「い、いよ...」
やりぃ〜と喜ぶリウを横目に、俺たちは校門をくぐった。
リウは俺たちが通う学校に始めて来るのかキョロキョロと周りを見渡して、あちこち観察していた。
「へぇ、日本の高校ってこんな感じなんだあ」
「そうだけど...」
もしかして帰国子女...!?
「俺、小学校から外国の学校行ってたんだあ」
「へぇ...」
やっぱり...
「連れないなあ〜つむぎくんはあ」
ねぇねぇとリウが俺の肩を揺する。
見た目に沿わず子供っぽいところも似てる...
そのままリウを連れて俺は自分のクラスに到着する。
「リウ、職員室の場所教えるから、先生にクラス教えてもらいなよ」
「んあ、俺このクラスだと思うよお」
ぴっと指さしたクラスは俺のクラスで、俺は目を丸くした。
「じゃあ、同じクラス...!?」
「そーゆーこと!」
にひ〜っと笑って入ろうよお、と急かしてくるリウを横目に、俺たちは教室に入った。
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