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モヤモヤ
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ガタガタと揺れながら、電車が駅に着く。
昨日は遅刻したけど、今日はいつも通りの時間に登校できそうだ。
昨日は転校生、もといリウの話題で学校中が大騒ぎだった。
とんでもなく美麗な容姿に加え帰国子女、しかもあの衣更レイと兄弟関係で仲良さげ。
これ程のスペックを持ち合わせていて、噂にならないわけが無いのだ。
ゆらゆらと電車に揺られて、レイの最寄り駅に着く。
「あ、レイおはよ...?」
レイはちょっぴり機嫌悪そうだ。なんでだろ...??
「おはよ...」
「おっはよー!つむぎん」
うんざり顔のレイと変わって、ご機嫌良さげなリウがひらひらと手を振ってくる。
「リウ!おはよう」
俺もひらひらと手を振り返す。
電車に乗ってくる2人に道を開けると、後ろから同じ制服の女の子がちょこちょこと付いて乗ってきた。
誰だろ...??どこかで見たことあるような...
不思議そうにチラッと見る。
すごく美人だ。目がうるうるして大きくて、まっしろな肌に長いまつ毛が特徴的。
不思議そうにチラッと見ていたら、リウがこっそり耳打ちしてきた。
「じーつはこの子、俺たちの幼なじみでレミちゃんてゆーんだけど。レイのことが好きなんだけど、めちゃめちゃ奥手でサ!」
あ、思い出した...!
クラスの男子がひそひそ噂してる、確か...奥村レミさん。
1つ年上で、美人だ綺麗だ、と男子がよく騒いでいた。
「折角同じ高校なのに、一緒にいこーって言えなかったんだって。だから俺が一緒にいこーって誘ったんだよ」
「そっか。リウって優しかったんだ」
「はー?それってどゆこと!」
にしし、とリウと笑って小突き合う。
リウは人懐っこくて、昨日会ったばかりだけど、すぐに仲良くなれた。
他の人とも仲良くなりつつあるのが羨ましい...
それにしても、レイってほんとにモテるんだな...
健気に話しかけるレミちゃんと、それに答えるレイ。
どこからどうみても理想のカップルだ。
なんだか胸がモヤモヤして、パッと目をそらす。
...女の子かあ......
窓の外を見て、電車が早く駅に着かないかな、なんて考えなくてもいいことを何度も何度も考えた。じゃないと、モヤモヤと自己嫌悪でどうにかなってしまいそうだったから。
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