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弥生の家に来るのは久々だった。
僕がΩだって分かってからはお金を稼ぎにいくので精一杯で、昔のように遊びに来てなかった。
相変わらずの豪邸で、小さい頃はこの広い家の中でかけっこをして遊んだなあなんて思い出す。
「春留、体冷えてるし先にシャワー浴びてきな。話はそれからだ。」
「...ありがとう」
弥生は、僕には首輪もついているから、きっと弥生は僕がΩだってことを知ってるだろうし、さっきホテル街で見つかったから僕が身体を売ってたってことはバレただろう。
嫌だなあ。大好きな幼馴染みにまで、軽蔑されて、冷たい目で見られるのは。
「弥生、出たよ。シャワーありがとう」
「...ん、春留、ちゃんと髪乾かしてないね?」
濡れたままの髪で風呂から出たら弥生に睨まれる。
放っとけば乾くのに。
「もう、おいで。乾かしてあげる」
怒ってるくせに面倒見がいいんだ。
やっぱりこういうところは変わってないなあ。
ドライヤーの風と弥生の手が心地良くて、うとうとしてしまう。
ああ、このまま眠れそうだ。と目を瞑ったけれど、その瞬間にドライヤーの風は止んでしまった。
「はい、終わり。じゃあ春留。話を聞かなきゃね?」
ふわふわになった僕の頭を撫でて、にこりと微笑んだ弥生の顔は、目が一切笑ってなかった。
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