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心酔 8
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「なぎさ、、、?」
あの頃、俺よりも小さくてふにゃりとしていた手は大きく骨ばって、くりくり大きかった目は少し釣り目気味の大人びた細い目に、柔らかかった茶色のくせっ毛は夜の闇に溶けてしまいそうな黒い真っ直ぐな髪になっていた。
なぎさは何も言わず、俺の右頬に触れた。
大きな手のひらが頬を包み、五本の指がバラバラに輪郭を撫でた。
「なぎさっ、、、くすぐったいぞ、、」
「んー?、、なんかたあくんが変わっちゃったなぁって」
頬を離れた指は、かわりに俺の髪を弄り始めた。
「なんか、小さいっていうか、、、弱々しい?」
「お前がでかくなったんだろ」
「そうかなぁ」
ふっと微笑むなぎさが、やっぱりあの頃とは違って胸の奥が締め付けられた。とくとくと鳴る心臓が痛くて苦しい。
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