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*麻倉side
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(ああああああ
顔が
どちゃくそ好みなんだよッッッッ!!!!)
昨日、一人の少年を……お金、で買いました。
そしてあろう事か寝惚けて襲いました。
少年を風呂へと見送った麻倉は一人寝室で頭を抱えていた。
先の心の絶叫は麻倉自身の汚い部分である。
100%の善意等、この世界には存在しない――この言葉を真に受けるのであれば、およそ10%に当たる部分がこの男の『性癖』に起因するものとなる。
(自覚はしているさ……俺は、重度の顔フェチだ)
時を遡ってみてみよう。
麻倉と言う男が自身の性癖に気付いたのは、中学の頃だった。
初めての告白をされたその時、下世話な話その女子とヤれるイメージが湧かなかったのだ。
性に目覚めるお年頃なのです、大目に見て欲しい。
そしてそのイメージが湧くのは、決まって似た様な顔の女子だったのだ。
麻倉は悟った。あぁ、俺はこういう顔が好きなんだ。
と、悟るや否や麻倉は行動に移した。
元々人とのコミュニケーションは得意な方で気になった女子には積極的に近付き、女子は女子で麻倉のスペックに惚れない訳は無く。
そんなこんなでお付き合いまでは簡単に行けた。
が、問題が起こったのは性的な方でのコミュニケーションだ。
ここまでの話を聞くと麻倉と言う男は不埒者だという印象を受けるかもしれない。
だがこの男、本質的には超が付く程のお人好し且つ恩情のある人間なのだ。
好みの顔<相手の体の心配
こうなってしまえば勃つものも勃たなかった。
そしてフラれる。
更にあの寝起きの手癖の悪さだ。
野獣とも喩えられたそれを体験して恐怖を覚えない女性はいなかった。
そんな訳でハイスペエリート26歳にして童貞の図が出来上がっていた。
(……その図も昨日簡単に崩れたんだけど)
そんな悪循環を打ち壊すべく、悩みに悩み血迷った結果……風俗へ行った。
まあ何が起こったかって勃った。
だがそれはモモがあまりにも麻倉の性癖どスレートの顔であった為だ。
男の顔でもいいのか、と内心驚きつつもモモの手馴れた一連の動作に翻弄され、相手を気遣う暇等なく――ここに関しては見知らぬ相手だったという事も大きいのだが、気付いた時には……卒業していた。
ナニからって??言わせるな。
そこからの流れは見た通り。
正直言って、自分でも自身の行動に驚いた。
幾ら実行に移せる資金があったとて、相手の境遇だけで実行する程考え無しの人間では無い。
……のだが、だとしても、だ。
あの時の麻倉は、そうするべきだと――俺が助けないといけない気がすると、直感的に思ってしまったのだ。
(…考えないと。モモのこれからの事とか……俺の、気持ちとか)
相手の顔が好き=相手の事が好き
と、深く考えずに今まで生きて来た麻倉であったが今回ばかりは話が違う。
まず大前提として相手は男だ。
モモのこれまでの事も踏まえて、おいそれと『好きだ』等と抜かせる程、麻倉の頭は軽くなかった。
「……まだ、名前すら聞いてねー」
自嘲気味に笑いながら誰に言うでも無くそう呟くと、麻倉は部屋を後にした。
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