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つまらんっつまらんっつまらんっつまらんっ!!
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「どーしてお前ら来るん?」
お盆明けて次の日曜日やけん最近やね。
モリクミ鎌やん吉野戸田奈々子が俺たちの家に突撃して来た。
「あーん?松永くーんには行きますーって話してますー!!」
松永通すな俺通せ!!
松永はお前ら来るの拒否せんからこんな時だけ松永通してコソコソ来るな!!
こいつらのせいで二人の休日がまた潰れる......
俺たちが昼飯食い終わったら松永がまた料理始めたからおかしいとは思っていたが。
いつもなら夕飯の準備そんなに早くせんし。
モリクミは実家住まいで飯に不自由はしていない。
戸田と奈々子も今は婚約して同棲して飯は奈々子が頑張っているらしい。
問題は鎌やんと吉野だ。一人暮らしで飯作るのとかせんらしい。
こいつら俺たちの家に来てタダ飯食えるのが嬉しいっぽい。
「お前らのせいで俺たちの家のエンゲル係数高めなんだよ!!」
「いいやん。たまには」
「こいつら最近毎週末来よるやないかっ!!」
「やだーんもー。お構いなくー」
「お前実家住まいで飯に困ってないのに一番食う量がパネェんだよ!!自重しろよ!!」
今ではモリクミ専用ドンブリまで食器棚にあるんだが仏壇に供えるような盛り付けしてんじゃねーよ!!
「あたしはあんたたちのお母ちゃんじゃないのよー!!」
そう言いながら回って来るドンブリに飯を日本昔話風にモリクミが盛って行く。
「モリクミー、僕は普通でいいよー」
「モリクミ先輩僕はいつも通りで」
「あーんっ!!鎌田てめぇは元からそのつもりだクソがっ!!やーん松永くーん分かってるわーん。モリクミ存じ上げてますーっ!!グラム単位でこの手が覚えてるんですーっ!!松永くーんはこうっ!!こんな感じっ!!」
「ど.どうも.......顔近い近い」
鎌やんと松永は相変わらず小食やな。
松永の顔に顔を寄せて茶碗渡そうとするモリクミの顔を俺は手で押し返す。
炊飯器を覗くともうほとんどない。
こいつら........二人暮らし用ではないこんなでかい炊飯器の飯をこうも減らすか。
「僕のは!!」
「あ?てめぇは自分でつぎやがれっ!!はーい奈々子嬢ー戸田くーん。幸せ盛りですーっ!!」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
おいおい。
吉野の分の飯がほとんどないんだが......吉野がモリクミの次に食う量が多いから飯ないと発狂するやろうなと思ってたらいつも通りだった。
「てんめぇえええ!!僕のご飯はっ!!」
「あさましいのよ!!ご飯がない位でっ!!コンビニで白飯だけ買って来てコンビニ店員にかわいそうな人って顔で見られて来いっ!!ついでに酒買って来い!!」
「ちょ......喧嘩しないでください。ご飯ありますから。お酒もありますあります」
松永が足りないだろうと見越して先に炊き上げていたお櫃の飯を出す。
今日は人数多かったので卓上コンロ出して鍋だ。
テーブルに卓上コンロ二つ出して鍋二つ体勢だ。
夏に鍋ってなかなか食べることないけどエアコンガンガン効かせて食べる鍋もいい。
モリクミと松永が大学で園芸部っていうサークルにいた。
大学耕して勝手に畑作ってばれたとか(ちゃんと大学の隣の土地に畑はあったんだが)、レンガ部分で焼き芋してレンガが焦げて請求書が学生部から来るようなサークルやったんやけど(全部モリクミと児玉のせいで松永は毎回巻き込まれてただけ)鍋だけは松永の大学の他のサークルでもうまいと評判やった。モリクミの話では園芸部の鍋は伝統らしい。
あの頃は昼休みにサークルの部室でモリクミが鍋作って牛タイツ着こんで配りよったなー。
あれもサークル勧誘の一環やったんやろうけど鍋無料配布の牛としか思われてなかったと思う。あの頃からモリクミ金持ってたな。
「あーん!!松永くーんっ!!いい出汁(だし)出てるわーっ!!」
「そですか。おいしいです?」
「うんおいしいよー。なんか懐かしいなー。この味この味」
モリクミと鎌やんが懐かしそうに食う。
こんぶ入れたり鰹節削るところから松永してたからそりゃうめーだろうよ。
鍋に関してはこいつらうるせーし松永も園芸部の鍋作ってたから手慣れてたけど金かかる贅沢な鍋だなあ。
鍋食って片付けた後もダラダラ飲み食いで時間を過ごす。
松永もこういう時はいつものヨーグルトリキュールを取り出してジュースで割ってちびちび飲んでいるが相変わらず酒に弱い。
「松永くん顔真っ赤ね」
「うん。クラクラする」
「よしお開きだ。お前ら帰れ」
松永がクラクラしだしたらお開きになるのもいつも通り。
松永の頭痛が始まったらこいつらは言うことを聞いて素直に帰る。
ほとんどジュースなんだがなぁ........俺らは酒飲むから分からんだけやろーけど全くアルコール入ってないんやがなぁ。
そういう時はテーブルの上片付けたりグラス洗ったりするのは俺。
ぐったりしている松永をソファに置いてキッチンでグラス、皿洗ってまた松永の横に座る。
ソファにもたれかかるようにぐったりしてる。
弱っている時の松永を見るのも楽しい。
「松永酒無理して飲まんでもいいのに」
「みんな飲んでるけんなんか一人だけ飲んでないの嫌なんやもん」
「酒飲めんちゃけん普通にジュース飲んでりゃいいやん」
「なんかやだ」
真っ赤になって目をつぶってぐったりしてる松永に顔近付けてほっぺにちゅっちゅしてても怒る気力もないのかやられ放題なのが嬉しい。
肩に手を回してちゅっちゅしてたら
「ごめん。眼鏡持って来て」
とその場で使い捨てのコンタクトレンズを外した。
「分かった」
ベッドルームに置いてた眼鏡を取って来て渡す。
「ありがと」
眼鏡姿はモリクミたちも数える位しか見たことないやろなぁ。
眼鏡姿見られるのは好きじゃないらしい。
眼鏡も似合ってると思うんやけどなぁ。
眼鏡かけた松永に顔を寄せる。
松永が眼鏡かけている時はキスする時は顔を傾けないと眼鏡にあたる。その不便さも心地いい。
「ベタベタしなくていいから」
「いいやん。少し位」
両手で顔を挟んでキスする。
「酒臭い」
「我慢しろ」
舌をねじ込んだりくちびるなぞったりしてたらその気になった。
「はい抱きついて逃げない」
ソファに座っている俺の膝の上に座って向かい合ってキスしてたんやけど松永がだるいのか抱きついて来てキスから逃げた。
また押し戻してキスをしようとする。
「んーっ!!もういいやろ」
「まだやてー」
酒でクラクラしてる松永が俺のキスから逃げてまた抱きついて俺の顔から逃げようとする。
「もういいやろ眠い」
「眠いん?」
「眠い.......」
ぐったりして俺に抱きついて目をつぶっている。
「寝ていいよ」
抱きついている松永の背中を撫でる。
酔った時はツンツンじゃなくてデレデレになってくれるからかわいい。
「寝てしまうけんベッド行く」
「いいよ。寝たらベッド運ぶけん」
しばらく抱き締めて背中撫でてたらスースー寝息をたて始めた。
そのまま起こさないようにそっと体勢を変えて松永の向きを変えてお姫様抱っこしてベッドルームに運ぶ。
「今日はエッチお預けかぁ。今週まだやってねーんだけどなー.......」
モリクミたちの襲撃さえなければエッチしてたんやろーけどなー。
明日から二人共仕事やし松永は事故や災害のせいで出張も多い。仕事がずっと立て込んでる。残業だらけだ。
「まぁしょーがねーかー......」
ベッドに寝かせた松永の髪の毛を撫でて一緒に寝そべる。
松永は眠る時背中を丸めて何かから体を守るように眠る。
寝相とかで性格診断とかあるやん?
それネットとかで読むとこういう寝方ずっとして来たんかなぁとちょっと悲しくなるんよね。
守ってあげたくなる。
胸がキュンキュンする。
って気持ち悪ぃか。
背中から覆いかぶさるように抱き締めて俺も同じ体勢でいつの間にか寝ていた。
朝目を覚ます。
腕の中で松永がそっと俺の体を離そうとしていた。
「あ、起きちゃった?ごめん」
「いやいいよ」
俺を起こさないように回された腕と体をどけようとしていたんだろう。
「長野まだ寝とりーよ。起こすけん。僕朝ご飯の準備してくる」
「松永もまだ時間あるやろ?」
「あるけど早く目が覚めたけん」
「じゃあもうちょっとこうしてよう」
起き上がろうとする松永の体を手繰り寄せてまた背後から抱くようにベッドで二人横たわる。
「うん」
もう少し時間あるけん許す限りこうしててもいいやろ?
落ち着くー。むっちゃ気持ちいいー。
松永の首筋に顔うずめて思いっきり匂いを吸いこむ。
また1週間頑張れる。
「僕今週出張だらけと残業多いかも。長野大丈夫?」
「おぅ」
嫌だなぁ。
「ご飯はてきとーになんか作っとくからあっためて食べりー。洗濯ちゃんとしてよ?ラタンの水飲み器ちゃんと毎日してよ?」
「わーった」
ラタンと一緒に俺の帰り待っててくれてる姿見るの好きなんやけどなぁ。
今週何日いないんやろーか?
「松永ー今年浴衣着れんかったね」
「そう言えばそうやね。お互い忙しかったもんね。今年は着らんで終わるかもね」
「今週末はちゃんと休めるんやろ?」
「多分」
「浴衣来てどっか行こうぜ」
「えー恥ずかしいよ」
「恥ずかしくないよ」
二人で選んだ浴衣着てどっか散歩しよう。
お互い社会人になって買ったやつ着てさー。
高かったけどいい買い物だった。
モリクミたち来させないように牽制して二人でどっかその辺りブラブラしよう。
ガリガリ君とかコンビニで買って齧りながらさ。
八王子に久しぶりに行って川べり歩いてもいいな。
イケメン二人浴衣姿でぶらついてたらちょいゲイっぽいかねー?
ゲイなんやけどね。
「考えとく。僕朝ごはん作るから寝とりー。なんでそんな恨めしそうな顔で見るとってwww」
松永が部屋を出て行く時に俺が頬を膨らまして不満だ!!って顔をしているのを笑いながら出て行く。
一人でつまらんからに決まっとろーもん。
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