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BL
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「あーんっ!!ではあたくしから長野くーんと松永くーんにBLとは何かをお伝えしたいと思いまーすっ!!」
「はぁ・・・・・・」
「お前テンション高いな」
「なんで長野たちだけ。僕たちだっているじゃん」
たまたま、ゲイカップルの俺と松永、吉野と奥田で外食をしていた時にBLの話になり
「実情はそんなキャッキャウフフじゃないけど読んだことはある」
「んだな。夢はあるよなー。んーな恋愛滅多にねー!!」
「胸キュンキュンはする。○○○とか読んだことあるし持ってるよ」
「あーそれ聞いたことはあるな」
と吉野と俺は意見が一致した。
本屋で売られているBL本は読んだことがない奥田と松永(書いてはいるけど本屋で売ってるBL本とかは持ってなくてもっぱらここで書かれてるの松永はたまに目を通す程度)は俺たちの話を聞いていた。
「読んでみたいですっ!!」
「奥田君、吉野君から借りればいいやん。吉野君持ってるんでしょ?」
「持ってるよ。今度家来た時貸してあげる」
この乙女属性の髭短髪ガチムチやろーがっ!!
目の前でいちゃつくな。
同じゲイでも気持ち悪いわ!!
吉野が言うにはゲイの雑誌とかネットでも同性愛取り上げたBL本とかお勧めとか紹介してたらしい。俺らが違和感なく共感出来るようなBL本だったらしいんやけど。それは読んだことねぇけど普通のBLってかわいい男の子出て来てキャッキャウフフでーなんかあそこに光のモザイク入ってー二人でハァハァ言って汗かいててうまいこといってたと思ったらライバル現れてーとかやん?
「BLって絶対エッチな表現なきゃいけないジャンルなのかな?」
と松永が質問する。
「んーなことないんじゃん?松永君が大好きそうなのもあるよ。昨日何食べた?とか。料理本みたいな感じ、腐女子とかからは評価どうなんだろうね?人気ある作家みたいだよ」
「へー」
「それ読んだことないな」
吉野が教えてくれたことを松永が携帯のメモ機能に残していた。
家に帰って調べる気だろう。
「一番BLとかに詳しそうな腐った人いるじゃん。聞けば余計なことまで答えてくれそうな」
「あー...........おったな」
「うーん.........」
「誰っ?誰っ!?」
むっちゃ身近におったわ。
腐りきって俺たちの生活を脅かす女が。
で、その女を呼んだわけさ。
「あーんっ!!松永くーん、長野くーんがそこまで言うならあたくしモリクミ二人の為にBLとはっ!?耽美な世界をお伝えしたいと思いますーっ!!オラァ!!そこのお前ら!!お前らは正座して聞けクソがっ!!」
「いや.......モリクミ先輩....僕たちお勧めのBL本っていうのかそういうの聞きたかっただけなんですけど」
「あーんっ!!松永くーんがそれ以上素敵要素増えちゃうとモリクミ死んでしまいますっ!!」
「モリクミ先輩が何言ってるのかさっぱり分からない.......顔近い」
ソファに座っている松永の前にいきなり座りこんでグヘグヘ言っているモリクミを手で払う。
「近ぇーよ。お前に俺たちにお勧めのBL本持って来い言うただけやん」
休みの日にちょっと来い言ってモリクミ呼んだんよね。お勧めのBL本持って来い言うて。
まぁ俺たち素人やけど書いてたりするし「本物」読んでみようってね松永も参考になるかなと興味を出したし。
んで、なんでか吉野と奥田も来たんやけどゲイ4人が俺たちの部屋に集まった状態。
鎌やんは劇で来んかった。
「あーん!!今から池袋行きましょーっ!!」
「なんで?」
「乙女ロードご案内しますーっ!!」
「それあれやないーんっ!?腐女子の聖地やないーんっ!?」
「長野なんそれ?」
「BLに浸食されたところだっ!!女だらけで俺たち男が行ったら目立つやろーもんっ!!」
「だいじょーぶー。ブサイクには冷たい町ですけどーイケメンには優しい町ですー。最近は腐ったブサイクな男も歩いてますー」
こいつ俺たち連れて歩きたいんか?
俺たちと一緒に歩くの前々から楽しんでるとこあったしなー。
両手に華で歩くのが気持ちいいんやろう。
んでその乙女ロードに行ってみたわけなんよ。
これは松永の誕生日前の話になるんやけど。
「池袋。受験以来.......」
松永が早速拒絶発動しおった。
池袋駅人が多いしなんか俺たち目立つ。
俺身長高いしイケメンだしー隣の松永もイケメンだしー。
ゲイが見たら「お前絶対お仲間」って即バレの見た目の吉野がいるしーキョロキョロして落ち着かないイケメンの部類の奥田もおるし。
それにやかましいモリクミおるし。
取り合わせ的に目立っていたようだ。
電車の中から目立ってはいたんやけどね。
「こちらでーす!!こちらへーっ!!」
「モリクミ先輩声でかい。聞こえてますから」
恥ずかしそうに松永が俯(うつむ)きながら歩く。
「ほぅ」
「ふーん」
俺と吉野が通りを歩きながら声を出す。
女が多い。男は少ないなぁ。週末っていうのもあるんかな。
俺たちと同じようにそれを求めて来たんやろう。
「松永どう?」
「慣れない。女の人多いね」
そう言って松永は人の視線を避けながら観察してた。
「モリクミ先輩この通りを乙女ロードって言うんです?」
「そうよーっ。モリクミが厳選したお店やスポットにお連れしますーっ!!」
「お前通ってるんか.......」
「松永くーんと冬コミ行きたぁあああい!!」
「冬コミ?」
松永がきょとんとしていた。
「行かせるかバカかっww松永が卒倒するわwwwむっちゃ人多いやろうもん!!」
そんな話をしながら通りを歩いた。
いくつか店を見て回るがさすがに同人コーナーは俺ら入れんわ。
「あーん!!松永くーんと長野くーん奥田くーんなら大丈夫ーッ!!そこのゴキブリ!!お前は無理!!」
「何が大丈夫だっつーの。俺らが入りたくないわ。それより俺あのジャンプのキャラとか入ってるあの建物行きてぇ」
なんか見ていた建物の中で俺が読んでたジャンプとかふつーな感じの物取り扱ってる店あったんよね。懐かしさと馴染み深いけん俺と奥田はその建物に行くのを主張してそこにまず向かった。
俺と奥田はジャンプよく読みよったけんフィギュアとかグッズ見て興奮してた。
コスプレとかも置いてて試着出来ますとかあったけん試着させてもろた。
んで知らんやつに写メ撮られてた。
ツイッターに載せんなよとか思いつつ写メを知らん女とかに撮られながらいつの間にか女だらけになってた。
「おいおい。俺ら遠巻きに囲まれてね?」
「治安の悪い女共めっ!!イケメン腐男子だと思って-しゃしゃり出て来たわねーっ!!あーん!!ガチなんだからーんっ!!ガチ勢なんだからーんっ!!」
「ちょ!?声でけぇえええええ!!お前が一番やべぇだろうがー!!」
どこ行っても俺ら目立っとったな。モリクミのせいもある。
少ないけど男もおることはおるんよ。けどいかんせん・・・・こんなこと言ったら俺性格悪いかもやけどたまに見る男たちの顔面偏差値が高くないって言うか。
んで男装カフェとか執事喫茶みたいなもんもあるんやけど吉野が一言つぶやいた。
「イケメンはこんなところにはいないね。てか、イケメンはこんなことしないでもいいもの」
男見る目厳しいなお前は。
「だってそうじゃない?イケメンはこんなところ来ないよ。リア充だもの。こんなところでチヤホヤされなくてもいいもの。腐男子?ふん。笑わせないで。女に媚びるような真似しても、もてない男が何しても無駄なのよ。それゲイなの?そういう路線なの?ショタ好きな犯罪予備軍の男なの?髪型いじくろうと服がオシャレだろうがどう頑張っても元がダメだと無理だしー。あとね、男装してる子もいるけどいくら男装してても尻の大きさが女じゃんwwでけぇwwレズバーにいるレズタチのやつらと一緒過ぎるwww男もどーしてこうダメダメなのこの通りはっ!!」
まぁそう言われればそうなんやけど頑張ってるとは思った。
吉野はゲイだし毒舌だからボロクソ言いよったけど。
なんだろうな。イケメンっていうよりも中性的というか。それも違うなぁ。それですらない不自然さはあるわな。吉野が言うように骨格の違いとかあるよね。男装しててもお尻が女性のお尻とかね。これは俺らの感想だからゲイの独り言と思ってくれたらいい。俺らの男を見る目が厳しいんやろうと思う。男装の女の子に対してもね。
松永はひたすら拒絶繰り返しとった。
ここでは松永みたいなのが萌える対象なのかもしれん。
松永が一番遠巻きにジロジロ見られてた。
モリクミが同人コーナーに入って買い物する間俺らは建物出て通りでぼけーっとしてたんやけど何してても見られるなぁ。居心地悪ぃぇ.......。
「ねぇ長野」
「なん?」
「僕さぁ......帰りたい」
「だよなぁーwwww」
松永がギブですしたのでモリクミ置いてとんずらかます俺たち。
「モリクミ置いて来たけどこれからどうするよ?」
「どうしよう?」
「二丁目でも行く?」
「行くわけねーだろ!!こんな昼間から行ってもなんもねーだろうが」
吉野の頭を叩く。
「ゲイショップでオイルとかをね......」
「バカップルが。俺ドラッグストアでオイル買いよるわ。それか通販」
「なんの話してんの......」
通りを歩きながらオイルがオイルがと吉野と言い争いをしている時に松永に吉野と俺は叩かれた。モリクミから俺の携帯に鬼電が来る。
「どーしてーん!?どこーっ!?」
「あー。俺ら移動中。モリクミ楽しんで帰れよー」
「あーんっ!?」
ぶちっ。
携帯の電源を俺ら無言で切った。
「モリクミなら嗅覚で俺らの居場所を特定するかもしれん。とっとと逃げようぜ」
「そうだなー。モリクミ松永君と長野のいる場所何故かすぐ勘付くからなー」
「モリクミさんって何者なんですかっ!?」
「あ?見て分かるやろ。モリクミっていう地球外生命体やんけ」
奥田の素朴な疑問に答えながら俺らは早歩きで逃げ去った。
「俺らWデートしてるみたいになったな」
「そう言えばそうだね」
「お前らどうするん?」
「お腹空いたしご飯食べに行かない?」
「お腹が空いてますっ!!」
吉野と奥田が腹減ったとうるさいんで4人で飯食った。
「神保町に行ってもいい?」
「いいよ。本見たいん?」
「うん。頼んでた本が入ってないか確認したい」
東京に住んでるやつだと知ってるかも知らんけど古書街なんよね。
松永がその何軒かによく行くらしくてその店に目当ての本が卸されるか流れて来たら取り置きして欲しいと頼んでたらしい。連絡ないからまだ手に入ってないはずやけど念押ししたいってことで俺と松永は神保町に吉野と奥田は二丁目に行くということで別れた。
松永が言うには本の競りもあるらしいからその時にもし目当ての本があったらいくらまで出すから必ず落札してくれと頼んでいたらしいが手に入らんらしい。
俺は本には興味がないけん松永の後をくっついて歩くだけなんやけどウキウキしながら歩いている松永を見るのは悪くない。
松永はささっと何軒か回って店主に話をするのを見る。
彼氏やけん分かることもあるんやけど。
松永あんなにニコヤカに話出来るやつやないんやけどね。
演技が自然で誰も気付かんけど成長してるなぁうんうん。って我が子を見る親の気持ち分かる気がした。大学一年の時に比べたらえらい成長したなって。
「用事終わった。これからどうしよう?」
「どうすっか?携帯そろそろ電源入れよっか。もうモリクミも諦めたやろ」
「そうだね」
電源入れた途端にモリクミから着信が来て俺らびびった。
「こいつは!?」
「出よう.......はい。松永です」
松永がモリクミの電話を受けてずっと松永が「はい、はい」言いよったが電話を切った後、
「モリクミ先輩今家の前にいるんだって」
「なぬ!?」
「家の前で待ち構えてるって」
「おい........帰ってからエッチ出来んやん」
「そうだね」
その日はエッチやる約束をしてたんよね。
あいつぅうううううう!!
「モリクミなんて!?」
「ずっとひどーいとかあーんとかでよく分からなかった」
家に到着するとマンションの入り口ででかい袋を両手に持ってモリクミが立ってた。
「あーん!!ひどぉおおおおおい!!」
「すまんすまん。じゃあな。帰れ」
「あーん!?長野くーんと松永くーんの為にたくさん買ったのにぃいい!!」
両手に持つ袋の中をチラ見すると同人誌ってやつが何冊も入ってた。
「長野くーんと松永くーんにもこうあって欲しいっていうお気に入りのサークルの作品カニ歩き買いして来ましたーん!!」
いらねぇええええええ!!
なんだそのお気に入りのサークルとかカニ歩きってなんだその専門用語は!?
その後俺と松永はげんなりしながらモリクミの持って来た同人誌とモリクミの説教と解説受けながら夜まで過ごした。
無駄に詳しくなったはいいが。
お腹一杯だ。
エッチはしたけどね。
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