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ついに来たか
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「お前なんしに来た?」
「松永君に呼ばれたんだよ!!」
休みの日に吉野が来た。
「ねー。松永君、松永君何か書いてるんだってー?」
吉野は俺らが文章書いてるのは知ってるんよね。
ここの存在は教えとらんし俺同様本読むようなやつやないけん興味がないからここの存在は知らん
教える気もない
吉野のことボロクソに書かれとるのは本人は知らん。
「うーん。いつか読み返して懐かしく思える日が来たらいいなぁって。でね、吉野君。ハッテンバってどんなところ?」
「ハッテンバwwwww松永君どうしたの!?長野に飽きて他の男と遊びたくなった?」
「んーなわけあるかっ!!てめぇーの方だろうがっ!!」
俺もハッテンバは行ったことないけんね。
吉野から聞いたり昔二丁目に行ってた時にちょろっと聞いた話位で詳しくは分からん。
働く男2のエロ描写てんこ盛りの為に吉野から話が聞きたいんやろう。
出来るだけリアルに詳細を書いた物にしたいらしい。
他のもそうやけど松永は現地見たり取材みたいなことせんと書けんみたいやしね。
やけんって松永はハッテンバには行きたくないし、俺もそんな危ねーとこ行かせんわ!!
「松永君って男は長野しか知らないじゃん?たまには遊んでもいいんじゃない?長野なら許すよ」
「たまにはなんだっつーんだ?余計なこと言ってんじゃねーぞ。許すわけねーだろ」
「またまたー。松永君が浮気しても別れるって言ったらそれは嫌だ!!で許しちゃうに決まってるじゃんwww
長野、松永君と別れられないじゃんwwwww」
「僕が行きたいわけじゃないし、他の人にも興味ないから。ただどんなところか話を聞きたいだけ。長野を挑発して怒らせんで」
俺がマジ怒りになろうとしてるのを、松永が気付いて吉野のバカを止めた。
こいつ殴りてぇ。
んで、吉野が喜んでハッテンバ話をしゃべるしゃべる。
松永が吉野の話す内容を録音してたまにメモ取りながら顔がげんなりしとった。
「吉野君」
「何?」
「サイテー」
「!?」
話が露骨で松永どんびき。こいつどんだけ男食ってハッテンバに通ってたん?
「そんなの書けない.......」
「頑張ろうぜ。俺も手伝う手伝う。エロ描写俺も手伝うけん」
「どーして書かないかんの?」
いや、まーね。松永エロ描写得意じゃないってーかさ。
書くと素になるみたいやけんさー。
直球な内容書けんみたいやけど今までの松永のが
「エロ描写どうなん?それBLなん?男同士のエロが醍醐味やろ?」
って俺がよー言うもんやけん松永が書かないかんのかもねって一念発起したみたいでさ。
んでゲイのエロって言ったら吉野やろうって呼んで話聞いたんやけど書けるかそんなこと!!って松永がげんなりしながら言いよった。
「これ普通だよ!?」
「普通なのっ!?」
「普通。長野と松永君がゲイ能界活動してないから知らないだけで。いたってふつー」
「うわっ.......それどうなんだろう?」
松永がメモ書き見ながら「文章にするとひどくないかなこれ」とかブツブツ言いよる。
「松永君と長野が特殊過ぎ。高校の同級生が片思いから両思いになって長く付き合って同棲してとか聞いたことない」
「そうなんだ.......前も言われたけどでも今話してくれた内容は普通なの?」
「新宿二丁目大学オカマ学部オネェ語学科の卒業生はみんなそんなもんなのよ!!」
「なんだそれは?」
「得意気でエラソーなのがむかつく。オネェ!!オネェ出てる!!」
まー、俺らの出会いと付き合いが特殊ってことなんやろね。
普通はそんなのナイナイ、らしいし。
「よし。お前の普通を奥田呼んどーけん聞かせてやろーぜ。お前が今までどげんことして来たか」
「やめてっ!!」
録音したICレコーダー持って俺がニヤニヤしよったら吉野がバリバリ慌てとった。
お前が先に喧嘩売って来たんやろー。
「もー。長野も吉野君もそこまで!!吉野君とにかくありがと参考になった。ご飯作るけん奥田君と一緒に食べて行きー」
「わーい」
「そんなんせんでいいよ。奥田来たらとっとと帰れ」
「長野も怒らんよ。長野以外の人とする気ないけんね」
「やろー?俺も松永以外とせんよー。へへへへ」
「はいはい、お熱いことでー」
吉野が扇子をバッ!!と広げて顔あおいどった。
お前どんだけオネェなんだよ。
扇子持ち歩く男とかおるんか!?
いちいち動きがうっとおしいんだよ。
お前普段どうなの?ノンケぶれてんの?絶対ばれてるやろ!?
「吉野お前目触り。お前の天敵のモリクミ召喚すっぞ、こら」
「ハンっ!!負けませんけど!?」
「もー!!喧嘩しないっ!!」
「だってこいつがさー」
松永抱きしめて顔を首筋にうずめた。
「はよエッチしたい」
「こら」
「はいはい。僕が邪魔なんでしょー。奥田来てご飯ごちそうになったら帰るからー」
「飯食わんでとっとと帰れ」
「長野.........いい加減にしーよ。ごめんね吉野君。長野ご飯作るの手伝って」
「えーなんでこいつの為に飯作るん?」
「文句言わんよ。ほら」
「へいへい」
二人でキッチンに並んでご飯作る。
作りながら松永の下書きの話しよった。
あーでもない、こーでもない。
あそこはもっとこーエロくとか。
松永が「無理無理!!」「そんなん恥ずかしくて書けん!!」とか拒否るのを「いーや。吉野の話聞いたやろ?リアリティ求めてるならちゃんと書かな。やけんエロエロで」って説得&懇願。
松永にエロイ文章書かせるのもSの俺からしたらムラムラする。
おぉう.......恥ずかしがり屋の松永がそんな文章をっ!!
それをおかずに飯が上手くなる。
「どーしてこうなったんだろ......なんでエロ描写で悩まないかんの?」
「深く考えんな」
「僕文章書く時そんなエロ描写とか想像しながら書けん(涙)」
「俺とのエッチを参考に(ニッコリ)」
はぁ~~~~~~松永が恥ずかしながら困った顔でエロ描写書くとかそれだけで興奮出来る俺は変態なんだと思う。松永LOVE、変態万歳。
「んー。松永エロいこと書いてるんだろー?んー?俺が採点してやるー見せてみろ」
「来んで.....」
「駄目だなあ。ここはこうだ。こうするんだー。分かるかー?」
「何してるん!?やめて!!」
「ほらこうするんだー。んー?これ書けーどうしたー?気持ちいいのかー?おっ立ってんじゃねーか」
「はぁはぁ.....」
また新たなプレイ、境地開拓出来るんじゃね?
「気持ち悪い顔すんな」
頭ん中でそげなエロいこと考えてたら松永が隣で冷めた目でみよった。
「今絶対頭ん中で変態なこと考えてたやろ?」
「んーなわけないやん」
ばれてんじゃねーか。
「タバコ吸ってみたい」
「へ?」
「タバコ吸う描写入れるつもりやけん吸ってみたい」
「無理やろwwww」
「長野吸ってみたことある?」
「子供ん時大人ぶって吸ったことあるよ」
「どげん感じ?」
「気持ち悪いだけやと思うよ。二人でタバコ吸ってみようか。おい、吉野!!タバコ買って来てっ!!」
リビングにおる吉野にタバコ買わせに行った。
吉野もタバコ吸わんな。てか全員吸わんな。
タバコ買わせて来て一応吸ったことある俺がレクチャー
「肺には入れんなよ。松永無理やと思うけん」
「分かった」
キッチンの換気扇の下で吉野と俺と松永三人でタバコに火点けて吸って三人でむせた。
「無理無理wwww」
「口の中が気持ち悪い。頭がクラクラする」
「マズっ!!タバコ吸うやつ多いけどこれは無理やねwwwww」
ゲイバーは最近どうか知らんけどタバコ吸うやつ多かったんよね。
松永も大学ん時行ったことあるけん、その印象があってゲイでタバコ吸うやつ多いイメージあるっぽくて。タバコ吸う場面書いてたみたいなんやけど。
「ち○こは吸えるのにね。タバコは吸えないわ」
「サイテー」
「俺も松永のしか吸えんなー」
「長野もサイテー」
思いっきり吸い込んだ松永がむせて頭がクラクラするとかでキッチンの折りたたみ椅子に座りこんだ。
「松永大丈夫?」
「気持ち悪い」
「無理するけんって」
書くのに体張っとるなー。
「ねー長野ー松永君ゲイバー行くの付き合ってくれない?」
「え?」
「なんで?俺ら行かん言うてるやん」
松永も俺もゲイバー行くの嫌だって知っとるやろ?
「だってー。奥田がねお酒飲みに行くの嫌がるんだけどー。だったら奥田も一緒に行こうって誘うんだけどーそれでも怒るのー」
「嫉妬か」
「そうなの。僕だってはっちゃけたい時あるじゃん?酒飲んでバカ騒ぎしたいとか。だから奥田も誘って行ったんだけどー」
「だけど何?」
「吉野のことじっと見てる人がいるっ!!話しかけるな!!ってムスってしててさー。お店の雰囲気悪くしちゃうの。僕はなんとも思ってないんだけど。彼氏がそんな態度だと周囲が気にしちゃうじゃん?僕は飲み屋で手さえ出されてなければ奥田に話しかけたりしゃべりかけるのは気にしないんだけどねー」
ああ、ね。
彼氏おる相手でもガン見してくるからなあ。
奥田はそれすら許せんのやろう。まぁ俺もかな。
「お前モリクミといつもバカ騒ぎしてるやん」
「違うでしょ!!どこがバカ騒ぎなの!!全然楽しくないんですけど!?ストレスですけど!?」
「僕たちが一緒に行ってもそれは変わらないんじゃないの?」
「そんなことないよ。松永君たちいればイケメン最強軍団で蹴散らせるから」
「は?」
「お前何言ってんの?」
吉野の考えやとイケメン2人だけだとからまれたり奥田も「ムスッ」があるけどイケメン4人もおると周囲もうかつに見つめたり手出し出来んもんらしい。どういうこと!?
「4人だと大体カウンター席じゃなくて後ろのボックス席になるから。後ろの席でバカ騒ぎ出来るしイケメンだらけのボックス席にちょっかい出せる勇気あるやつはオカマにはいないの」
「そーいうことか」
「そういうこと」
「でも俺らは行かんよ。そう決めてるし俺も松永も行きたくないけん」
まー。二丁目のゲイバーでいろいろあったけんね.........今まで書いたけんそれは書かんでも分かるやろ。
「僕一緒に行ってもいいよ?」
「おぅいいいいいいい!?」
うそん。松永がそげなこと言うとか思わんかった。
小説ネタの為なんやろうってことは分かったけど絶対途中で「ギブギブっ!!」って辛くなるに決まっとる。
「大丈夫b大学生の頃とは違うし僕も社会人になって大人な対応もコミュニケーションも出来る(キリッ)」
「松永君がオッケーなら長野もオッケーでしょ?奥田も今から来るからご飯食べて行こう!!」
「今日!?」
「だって今日サタデーナイトフィーバーじゃんっ!!フィーバーフィーバー!!週末だし!!やっぱりお酒は騒ぎながら飲むのが一番おいしいんだよねぇ」
「お前.........相当ストレス感じてんの?」
「奥田君とだと吉野君行動制限されてるっぽいね」
んで奥田来て飯食って最初は渋っとったけど、奥田が「あの店ならいいですっ!!」ってオーケー出した。
奥田と吉野と一緒に久しぶりの二丁目仲通りに立つ。
「おい吉野」
「何?」
「なんで俺らスーツなんよ?」
「スーツの方がイケメン度増すからに決まってんじゃん!!スーツ専リーマン専多いんだから!!」
「別にイケメン度増さんでも彼氏おるけんモテんでよかろーもん」
「彼氏いても脚光浴びたいじゃな~い」
こいつはバカか。
休みなのに奥田と吉野は一回家帰ってスーツ。俺らもスーツで二丁目ですよ。
仲通りでスーツ4人並ぶとなんか「スーツ戦隊」みたいやな。
後一人おれば5人でよさげとか俺思いよった。
「松永拒絶ってね?」
「まだ拒絶してないけどやっぱりバリ見られるね」
週末でスーツ着ているやつが少ないのと俺らがイケメンやけんねー。
「吉野どこの店行くん?俺らが大学ん時行ってた店行くん?」
「え?いつの話してるの?大学の時に長野と通ってた店なんてとっくに潰れてますけど?」
「マジか」
「二丁目のお水の世界は厳しいんだから!!僕がよさげなお店に連れて行ってあげる。お店のママもいい感じだし、カラオケないからうるさくないし」
「ほぉー奥田は行ったことあるん?」
「はい!!そこに行くのなら僕も許しますっ!!」
「なん?奥田も太鼓判出すほどいい店なん?」
「客が全然いなくてお店のママしかいない店だからですっ!!」
あー。吉野と奥田にちょっかい出されんからそこがいいんかい。
そこも潰れるんじゃねーか?
二丁目の仲通りを二往復したかな?
吉野が「イケメンぶりを見せつけてやりましょ!!」言うから。
何度もすれ違ったやつが何人かおったけどこいつら仲通りで行ったり来たりして男探してるんか。
松永はそれも働く男の文章に出しとったね。
松永は大学ん時に比べたら「ピコーンッ!!緊急警報作動!!絶対拒絶発動っ!!」ってなってなかった。
んで、雑居ビルに入って階段登って吉野お勧めの「ママしかいないお店」の前に到着。
「よかった!!今日も人の声しないっ!!」
「じゃあ入るね」
「うん」
「おぅ」
店入った時ママ椅子に座って寝てた。
まだ21時でこれからが稼ぎ時だと思うんだが。
「おいおいおいおい。寝てんぞ」
「ちょっとーどういうことー?」
「あらイケメンさんたち、いらっしゃい」
気だるそうなゲイ来たwwww
「どすこいしょっと」
椅子からのっそり立ち上がってカウンターの中に入って無言で吉野がキープしてたボトルをドンッ!!てカウンターに出して来た。
いちいち動作が気だるいんだが。
誰って言えば分かるかなー。桃井かおり的気だるさ?
「吉野のボトルからでいいかしらー?」
「うん、いいよ。あー長野と松永君(下の名前で呼びよったけどね)は焼酎好きじゃないよね?」
「うん。僕はジュースかお茶が」
「俺ビール」
「これメニューね。ジュースはここね(指差す)。ビールは瓶と生あるけどどちらがいいかしら?」
「キリン(ビールメーカー)すか?」
「キリンね」
「じゃあ瓶で」
「僕は.......オレンジジュース下さい」
ママが俺たちの声に反応せんで気だるそうに手を頬にあてて俺と松永をじーっと見よる。
「どうかしたんすか?」
「ああ、ごめんなさい。イケメンねーって見とれてた。瓶と生どちらでしたっけ?」
「瓶でwwwwこっちオレンジジュースwwww」
「今コーラがおいしいわよ。オレンジジュースよりおいしいと思う。コーラがお勧めなの」
「じゃ.じゃあコーラデ........(松永が俺の方チラチラ見ながらどういうこと!?って顔しとる)」
「オレンジジュース買って来てないだけなのよ。寝ててスーパー行くの忘れちゃった。賞味期限一昨日までのオレンジジュースならあるけど嫌でしょう?」
「コーラでいいです!!(オドオド)」
やる気ねーwwwww
で飲み物出て来て
「お母さんも飲んで」
って吉野がボトルから酒作らせて乾杯5人でした。
ママが俺と松永に名刺出して来た。
「ここの女将です」
「女将ぅいwwwwなんかそんな感じっすねwww」
「雇われ女将です。オーナーに今月渡す上納金も稼げてないので飲んでってね」
「暴露し過ぎwwwww笑えんwwww」
「笑い話じゃないから」
オネェ丸出しなんやけどテレビに出て来るうるさいオネェやなくて上品な感じやったね。
37歳言いよったけど顔はイケメンやし若く見えた。やけど全体的に気だるい。
「吉野」
「何よお母さん?」
二丁目では仲の良いママのことをお母さんとか呼んだりすることあるんやけどね。
「一生のお願いがあるの。聞いてくれる?」
「何?」
「この店に火ぃつけてくれない?火災保険降りるから。その金で豪遊出来るわ。店しなくて済むし」
「お母さんぅwwww」
「燃える物ならたくさんあるわよ。アルコールだらけ。でも飲んでくれるお客様が来ないの」
「wwwwww」
「中途半端はやめてね。全焼でお願い。全焼じゃないと大金出ないから」
「やるとか言ってないんですけど!!捕まっちゃうじゃんwwwww」
これね、ネタ仕込んでたやろ!?と思うけど表情一つ変えんで気だるそうに言うんよ。
本気でこいつ言いよると分かってみんなでバリ爆笑しよった。松永も笑いよった。
「してくれないのね。そう......」
って下向いて言いよるのがシュール過ぎた。
「こちらカップルなんでしょう?長いんでしょう?」
「え?分かるんすか?」
俺と松永をママが交互に見る。
「長いことゲイ業界にどっぷり浸かってますから。ずぶぬれ。溺れかけてるから助けに来て欲しい」
「ワハハハハwwww」
「いろんな方見て来ましたから」
「へー。やっぱ分かるんかー」
「ええ。ねぇ松永さん、どうして私をそんなに見つめるの。ドキドキして手元が狂っちゃうから私困る」
「あ、すいません」
「いいえ。どんどん見て帰って」
「はい?wwwwww」
松永が小説のネタにって女将の動きを観察してたんやろーね。
「手元が狂うってカウンターの下で何かしてるのお母さん?」
「ニンニク刻んでるの」
「なんでよwwwww顔こっち向けて話しながら何でニンニク刻んでんのwwwww」
「スパゲティーが食べたくなっちゃって。よければみなさんも食べない?」
「ええっ!?」
「僕食べたいですっ!!」
「奥田君今日も元気ね。スパゲティーたくさん食べて帰ってね。でもそれ以上大きくならないでね」
「どうしてですかっ!!」
「その椅子壊れそうなの」
「wwwwww」
二丁目の飲み屋ってお通し(小鉢とかね)出すとことかはあるんやけど簡単な冷凍とか冷ややっことかなんよね、食べ物メニューもある店はあるけどそんな店あんまない。
いきなりメニューにない料理作り出して「無料だから」ってスパゲティーをでドでかいずん胴鍋取り出して麺を茹で始めおった。
「お腹空いたわよね」
「いやーそれはお母さんだけだと思うわ」
「僕はお腹空いてますっ!!」
「奥田君は素直でいい子ね。それに引き換えこのフテ子(ふてぶてしい子って意味やと思う)ときたら」
吉野を見ながらママが言いよって吉野のボトル見た。
「あら、ボトルが空きそうだけど吉野どうする?」
「入れて」
「ごめんなさい。あんたいい子」
「おぃ」
んでカウンターの中のママとカウンター席俺ら4人組でズルズルとスパゲティ無言で食べよった。
ここ何屋だ!?店中すんげー炒めたニンニクの匂いしてたんやけどこれいいのか?お客来ないのか?
「おいしいわね」
「うん。まぁおいしいけど」
「おいしいですっ!!」
「おいしいけどまさかゲイバーでスパゲティ食べると思わんかったwwww」
「でも本当においしいですよ。自分でソースも作るんですね」
松永がニッコリして言う。
ゲイバーやと拒絶してばかりやったけど珍しい光景やな。
「長野さん松永さん忘れないで」
「何を?wwwww」
「何をですか?wwww」
「私がスパゲティーを作ったことを」
「ど.どういうこと?wwww何故に?」
「は.はい?」
ママがミートソースで汚れたお口フキフキ。
どうしてかは教えてくれんのかーい。
突然ママが後ろ振り返ってレジ開けて金ガッ!!って掴んで店飛び出して行きおった。
「ちょっとお母さーんっ!?」
「丸栄(スーパー)行って来る」
「ええっ!?」
「やっぱり気になって」
吉野が声かけたけんママがドア出たところでこっちくるりって振り返って言いよった。
「なんがですか?」
「オレンジジュースがないんだもの」
「え?」
「松永君がオレンジジュースって注文した時から頭を離れなくて。オレンジジュースが気になって。みんなお店よろしく」
「え”え”え”ええ”ぇ”ぇ”!?ちょ!?」
「店燃やしてもいいのよ」
そう言い残して駆け出して行った。
「おいおいおいおい。自由過ぎんだろ。お客来たらどーすんの」
「面白くていい人だね」
「いい人でしょ。でもお客いないの。レジも開けっ放しだし。泥棒とかあたしらがお金取るとか思わないのかしら」
「俺たちのこと信頼してるからそうするんだと思いますっ!!だからここなら吉野来るの許しますっ!!」
オレンジジュース買いに行くだけやけん、コンビニかスーパーって言っても二丁目の丸栄っていうスーパーやけんすぐ帰って来るやろねーと思ったら戻って来ねぇえええええ!!
「もう1時間近く経ってるよ......」
「電話するわ.......」
吉野が電話したら通りでナンパされて公園で話し込んでいたらしい。
「おぃいいいい!!俺らどーすんの」
「早く帰って来るようには言った」
しばらくしてママ帰って来て一言
「そうやってまたみんなで私の恋路を邪魔する」
おぃ。
一度も邪魔したことないんだが。
「イケメンだからって許さ....許しちゃう。よく考えたらあの人ブサイクだったかも。私ブス専じゃありません」
じゃあどうしてついて行った。
「今ならオレンジジュースお勧め」
ってカウンターにドンって紙パックごと置いた。
「松永君好きに飲んでね」
「え.ええ......」
松永がコップ空になるたびにママが注ぎよったけど、それチェックつけてなかった。
帰る時に知ったんやけどね。
そげん感じで終電の時間になって来たけんチェック(勘定のこと)した。
「これ安すぎませんか?」
松永が値段書いている紙見てママに聞いた?
「そう?それ位でいいんじゃない?」
松永と俺のは一緒に。吉野と奥田のは一緒にチェックしてもらったんやけどどっちも安過ぎたらしい。
どんぶり勘定wwww
やる気ねー。俺らは嬉しいけどさ。
「安過ぎですよ」
「いいのよ」
「ええっ!?」
「またみんなで会いに来てね」
「は.はい。4人でなら来れます」
すげぇ。
松永にこんなこと言わせたママは今までの中でこの人だけやね。
二丁目とかゲイバー苦手な松永が来てもいいと言うとか。
まーお客がいないけんやろーねwww
あとママが色恋営業で色気振りかざしたりとかせんのと、場末なバーな感じがいいのかもしれん。
自由過ぎたけどな
「うーん。ゲイバーの所の文章の参考になった」
「行ってよかった?」
「うん。あそこはいいお店だったね。優しいし緊張しないし。マスターのあの面白さは書けないね。独特な人だったけどまともな感じのマスター出す予定だからwwww」
「やねー」
松永は酒飲まんし俺もビールはキリンじゃなくてアサヒが好きやけん何度も行くことはないやろーけど吉野がバカ騒ぎしたくなったり誘われた時は行ってもいいかね、って二人で話した。行くとしてもあそこだけやろーね。
こんな感じで松永が働く男2書いてるみたいですよ、っと。
こういう裏事情知ればもっと楽しめるかい?
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