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escapeはお手の物
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それから人混みが少ない道を走りまわり路地裏に飛び込んだ。俺たちはまだ逃げ回っていた。
赤松はまだまだ元気そうに走ってる。鼻歌を歌う余裕があるなら分けて欲しい。
俺はそろそろ足がひきつりそうな感覚がひしひしと伝わってきていた。体力ゲージもがりがり削られてる。休まないと本当にやばい。死ぬ。まだ死にたくねえ。
「きりがないねーしつこいなー」
赤松はうっとおしそうに後ろを振り返る。
まだ追ってきている複数の男たちを見据えるまなざしが、心底面倒くさいと告げていた。確かに逃げても逃げても追いかけてくるその姿はしつこくストーカーのように思える。その執着心を別のところで存分に生かして欲しいと切実に願った。
「誰のせいだと思ってんだ!」
赤松と一緒に歩いているとガラの悪い男たちにからまれたのが発端だった。
身長もでかく無駄に目立つ赤松に突っかかってきた男達を、当本人は無視しようとした。言葉通り眼中にないらしい。それがまた彼らの脳みそに怒りを注いだらしく。
激昂して掴みかかってきた男の一人をぶん殴ってからのこういう展開。テンプレート通り過ぎて笑える。ごめん本当は泣いてる。
俺たちをぼっこぼこにして自尊心を取り戻そうとしている奴らもまた懲りずにハイエナみたいに追いかけてきていた。
俺は美味しくないし関係もないから勘弁してくれよ!
そう言ったってもはやどうでもいいんだろうな!くっそ災難だ!
だから沸点をオーバーしたのは赤松のせいで、俺は何も悪くない!
「んー誰のせいだろー俺悪くないしーうーん!あははー!考えるの苦手ーもうこの世が悪いってことにしておこうー」
「壮大な話にしようとすんな!お前が悪いんだよお・ま・え・が!」
「お前じゃなくて赤松って呼んでくれなきゃ嫌ーあっダーリンでもいいよーむしろそちらでお願いします!」
「頼むから黙って!できれば一生黙っててほしいなっ!」
しゃべりながら走るのって相当体力使うから話しかけんなっ!だからお前は何でそんなに余裕なの!体力の差か!羨ましいわ!
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