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被虐嗜好gentleman
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「千晴様」
落ち着いた声が俺を呼びとめた。
その声を聞いた瞬間逃げだしたい衝動が全身を血液とともに駆け巡る。
面倒事に対しては極力避けたい主義なのだ。
本気でそうしてやろうと思ったが先に前へ回り込まれて足止めをくらった。忍者か!気配を全く感じなかったぞ!
「どこへ行かれようとしているんですか?もしかして急ぎの用事でしょうか」
「ああそうだよお前から逃げるという重要な用があるからそこをどけ」
「私に会えて嬉しいあまりつい逃げ出したくなったと?そう申されたいのですね理解しました」
びっくりするぐらいの無表情で小首をかしげる男は、淡々とそういった。黒い短髪がさらりと揺れる。
やや恍惚とした色が声音に混ざっていたのでぞぞぞと気色悪さがはい上がってきた。
「ちげえよもう!耳に何か詰めてんのかよ甲斐田は!」
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