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kissmarkの所有権
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「赤松」
「んーなーに甲斐田さんー?」
上司に呼び止められた赤松は煙草を吸う手を休める。
壁に預けていた背中を離し立ち上がるとあっという間に追い越してしまう身長。
しかし上司を見下ろすというのもなかなか悪くないかもしれない。なんというか変な優越感を感じる。
ちょっとほくそ笑みながらもう一度要件を尋ねようと瞬間、赤松の顔の横で衝撃がはじけ飛んだ。
表情を固め恐る恐る数センチずれていれば自分の顔面にめり込んでいたであろう甲斐田のこぶしをみる。ひび割れた古い壁の破片がぱらぱら床に落ちていく。
「甲斐田さーん?坊ちゃんならともかく甲斐田さんからの壁ドンとか萌えないんだけどー」
ひきつった微笑みに甲斐田のまなざしが鋭くなる。極限まで釣り上った目尻が怒りを明確に表現している。
無表情が売りの彼がここまで感情を露わにすることは珍しい。それと同時に赤松は微弱ながら自分の危機が迫っていることを悟った。
「ふざけないでください。ついにやってくれましたね。遠まわしに死にたいと言っているのですか。そうなんですよね。なら私がその願いを叶えてあげますので大人しく首を晒せ叩き折ってやる」
「待って!?何の事だか分からないし殺気だしすぎー!ちょっーおっとととー!」
容赦のない拳の連打を軽々と避けながら掌で受け止める。ぎりぎりと食い込んでくる力は相当なもので甲斐田がどれだけ憤怒しているのかよく伝わってきた。
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