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Lie
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「嘘発見器?なんだその胡散くさいオモチャ」
ある日甲斐田が持ってきた鉄の箱を見て思いっきり顔をしかめる。
「はい。なんでも嘘か本当か見極めることができるとか」
無表情のままテーブルの上にそれを置き、甲斐田は答えた。
大きさは甲斐田の腕にすっぽり収まるぐらいで俺でも抱えることができそうなほど。
変なアンテナみたいなものが二本たっている。俺には理解できないボタンや何かを表示する液晶が備わっていた。下手にいじらないほうがよさそうだ。
昔よく遊んだオモチャに似ている。はたから見てもこれが人間の心理を読み取ることができるとは思えないし何かの間違いだろうと甘く見る。
どうせそんなことできやしないに決まっている。こんなすごいことができますよーと銘打った商品がCMで流れたって、そうとは限らない。基本的に商品を売る際はやや便益を膨張して語るものだ。多少事実とはすれ違ったことを熱く語れば財布の紐も緩くなる。
結構重さはあるらしく置いた瞬間、ずしりという効果音が聞こえてきた。
こんなもんを片手でひょいひょい持ちあげたりおろしたりしてる甲斐田の腕ってどうなっているんだよ。案外鍛えているのかもしれない。
甲斐田は俺の向かい側の椅子に座った。
何こいつまさか長居する気じゃねえんだろうな。面倒くさい。別に嘘発見器もどきに興味はないしそれどこかにおいてきてくれないかな。
「コーヒーと紅茶どちらがいいですか?」
ばっちり長居する気満々だった。俺にお茶持ってくるついでに自分の分も持ってくる気だよな。
「あ、じゃあコーラがいい」
でもお茶の淡白な味にも飽きたしなんか持ってきてもらおうとするか。どうせ何言ってもいなくならないだろうしな。
ちょっと実験につきあって何もないと確証できれば甲斐田も興味をなくすだろう。
仕方ねえ!ちょっと付き合ってやるか。
ああもう俺って優しさの塊じゃないかな!?
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