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Lie
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「どこで拾ってきたこんなもん」
甲斐田が持ってきたコーラを啜りながら質問をする。
背筋をまっすぐ伸ばしてぶれない姿勢を保った甲斐田の瞳が明後日の方向へ向けられた。
「知人から貰いました。なんでもまだ試験中なのでぜひ使ってサンプルを取ってほしいと頼まれまして」
「へー」
なんだか怪しい話だ。こういう時こそ嘘発見機の出番じゃないのかな。
まあ甲斐田が言いたくないって言うなら仕方ない。どうせ問い詰めてものらりくらり避けられるだけだろう。
彼らの裏業界の仕事は知っているつもりだし、そっち方面なら俺にホイホイ話すわけにもいかないのかもしれない。俺に持ってきたんならそこそこ安全は保障されていると信じたい。
「そんでこれは嘘を見つける機械なんだよな?」
「はい。嘘か本当か。否定か肯定か。口で否定しても本当ならブザーが鳴ります。本当のことでも嘘をつけばそれにも反応します。つまり嘘をついたり本音を隠したりはできないということですね。だんまりを決め込まれれば意味はないですが」
へえ。とにかく嘘をついちゃいけないってことか。
例えば昨日オムライスを食べたという前提を置くとする。
その場合、カレーライスを食べたと言葉を発しても、ブザーが鳴って嘘をついていることがばれる。オムライスを食べたのかと聞かれて違うと一言答えてもそれにも反応する。
カレーライスを食べた。オムライスは食べていない。このようや本当のことしか答えるのを許されない。いよいよ胡散くさくなってきやがった。
「何度か質疑応答を繰り返しその結果を見て知人へと報告させていただきます。他意はありません。あくまで実験ですので」
「本音は?」
「いやらしい質問をしまくって、あわよくばあはんうふんな展開に持っていけたらなと思っています」
「素直!」
ここまでストレートに願望をぶつけられるとは思っていなかった!後そんな展開にはならないと断じて信じてるよ!?頼むよ本当に!
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