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bear candy
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「甲斐田ちょっとこっち来てみろ」
「なんでございましょう」
少し背をかがめてこちらに近寄ってくる。
座っている俺と顔の位置を大体合わせてこちらをじっと見つめてくる瞳の近さに口内の飴玉を噴出そうになった。
俺は少々の意地悪さを隠しきれず口角を吊り上げてしまった。
「はい。あーん」
そういった瞬間、場の気温が著しく下がったような気がした。甲斐田も一瞬動きを止めたが無意識かよく分からないが即座に言うとおりに従った。
「あーん」
白い歯と舌が見えた瞬間、摘んでいた毒々しい光沢を放つキャンディをひょいっと投げ入れてやる。突然飛び込んできた飴玉に驚きながらも口を閉じる甲斐田。
しばらく無言で飴を転がしていたが徐々に顔色が悪くなっていく。
やがて完全に青く染まると身を起こし口を抑える。早歩きで部屋から出て行き、姿を消した。
どたどたと廊下を掛けていく騒音が後を引いていった。相当まずかったみたいだな。食べなくてよかったー。
「坊ちゃんってたまにドエスだよねー羨ましいのかよくわかんないやー」
「千晴にあーんしてもらった甲斐田殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
赤松と兄貴の言葉に俺はますます口角が上がるのを抑え切れなかった。
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