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Persons waiting
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甲斐田は待っていた。
乗り慣れない車に乗り込み、何度も事故に合いそうになりつつも、なんとか死地をくぐり抜けてきた。
普段は赤松に運転させているせいで少しなまってしまっていた。これからたまに自分で運転するのも多分悪くはないだろう。
せっかく免許証を持っているのだから有効的に使った方がいい。どうせ運転以外には役立たないのだ。
いや、身分証明ぐらいにはなるかもしれない。しかしヤクザとして身分を隠したい甲斐田に必要なものかと言われれば考え込んでしまう。
赤松が聞いたら顔を真っ青にして必死に止めるだろうが今の甲斐田には到底わからないことだろう。
無免許の癖に何故か運転がうまい同僚を脳内から消し去りながら甲斐田はハンドルにもたれかかり、タバコに火を付ける。
甲斐田の愛柄はやけに匂いが強くニコチンも強力なものだが、一度舌に染み付いた癖はなかなか直らない。
このむせ返るような苦みがたまらないのだ。
千晴の近くでは決して吸わないが、スーツについてしまってるらしくたまに渋い顔をされてしまう。
それに申し訳ないなと思う自分と蔑むような瞳に興奮してしまう自分がいて、日々葛藤を繰り広げているのであった。
今日、甲斐田が待っているのは彼のそんなM心を覚醒させた張本人であり、上司の弟でもある高校生の足立千晴であった。
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