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Persons waiting
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あまりにも来ないので甲斐田は車の外に出てみた。
肌寒くなってきたこの時期にスーツ一丁で外に出るのは寒い。
車内のぬくもりに逃げそうになりながらも甲斐田ら は車に背中を預けて外で待ってみる。
こうして無心で人を待つということを、今思えばあまりしたことはなかったのかもしれない。
冷たい風が吹く中、どこか達観した思いで一点を見つめた。
たまにはこうしてぼーっとする時間も大切だな。最近こういう時間がなかったな。
書類に追われて気付けば寝落ちしてるような日々。
赤松が逃げた分の手間と紙束の山。
処理しているあいだに夜が明けるあの感覚。あのやろう殺す。
しかしこの時間はなんなんだろう。この時間があればどれだけ片付けることができたのだろうか。
千晴様はなぜ来ない?これないのか?
いやまて、来れないじゃなくて、こないのではないだろうか。
その可能性が閃いた瞬間、甲斐田の全身に衝撃が走った。
まさか。まさかこれは。千晴様は。
私を放置プレイをしてるんじゃないだろうか。
思考は巡り巡って、思わぬ形で着地してしまった。
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