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You are the hero
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足立組は人目につきにくい場所に建てられたビルが本拠地である。
俺が住んでいるのは上の方の階。それ以外はヤクザ足立組の事務所になっている。
一階や二階は組員の男たちがウロウロしていて、それより上の階には住み込みで働く組員たちが寝泊りできるように休める部屋が並んでいる。
階と階は中の階段でつながれている。
外にはもう一つ、古ぼけたコンクリート製の非常階段が虚しく汚れた空気を吸っていた。
俺が寝泊まりしてる階には普通滅多に人は上がってこない。
そりゃそうだ。組員の奴らからすると兄貴、一番権力のある組長の家でもあるんだから普通はのこのことやっては来れないだろう。
しかし例外は存在するらしく、甲斐田や赤松は平気な顔をしていつも乗り込んでくる。
まるでここが俺の家だと言わんばかりの使用頻度に、最初は文句を言っていたが何を言っても無駄だということが分かったのでもう何も言わない。
その中でも赤松の使用頻度は特に高い。
朝飯晩飯は必ず作りに来るし、掃除とか洗濯とかもなんやかんやうちの家事はこいつがしてる。寝るときはさすがにいないけど。
今日も家に帰ったらテレビの前に陣取って「おかえりー」とさも当然のように言われてめまいがしたぐらいだった。頭が痛い。
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