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Japanese dress
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「あに、兄貴どうしたの?ジャージとか、その、え?らしく、らしくないね?」
動揺を隠し切れず震えながら訊くと、兄貴は納得したかのように小さく頷いた。ばさりと新聞紙を畳み始めて、さらに服が見える面積が広がる。
黒いジャージだった。そこらのスーパーに特売で出されていそうな雰囲気のデザインだ。
別に何処のメーカーとかそういうのではなく、胸辺りに見たこともないワンポイントが飾られている。ますます安物アピールを振りまいている。絶対安物だよこれ。
ズボンの側面には細い二本の赤い線が引かれていた。小さいのか白い足首と手首が裾から覗いている。いつごろ買ったんだ。明らかにきつそうなんだけど。首元とか凄い締め付けてそうなんだけど!
珍しすぎる格好に拍車を掛けているサイズ感に、呆然としてしまった。
立ち上がって自分の服装をまじまじと眺めはじめ、いたたまれない気持ちになる。
「似合って、ないか」
弟である俺しか分からない程度に不安そうに眉根を寄せる。慌てて首を横に振って否定した。安心したように首に手を回して視線を床に落とす兄貴。さらりと前髪が揺れる。
似合ってないことはないんだけど、不釣合い具合が半端じゃないとは言い出せなかった。顔がなまじいい分、微妙に着こなしているのか?どうなのか俺には判別できない。したくない。
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