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17・18.
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翌朝出社すると、本宮はいつものように女性社員に囲まれる桐島とすれ違う。
「おはよう。
今日も賑やかだね」
平静を装うが、さすがに桐島の頭に触れることはできない。
偶然通りかかった笹井の頭をくしゃくしゃと撫でてみるが、なんだか満たされない。
桐島に気を取られないよう、ガツガツと仕事を進めると、あっという間に1日が終わった。
翌週の週末。
定時になり、各々が次の予定に向けて早々に帰り支度を進める。
そんな中、本宮は桐島の姿を探していた。
あの日から10日が過ぎていた。
あれから桐島も本宮も何も無かったかのように過ごしていた。
当たり前だが、仕事はお互いにしっかりとこなしているし、挨拶も休憩時間の世間話も当たり障りない。
ただひとつ、できるだけ桐島へのスキンシップをしないように気を付けていた。
たまについ癖で頭をくしゃくしゃと撫でてしまうと、その感触に桐島を抱き締めたい衝動にかられ、慌てて手を引っ込める。
何も告げずに手を出してしまったのは自分なのに、桐島の気持ちがわからずイライラする。
そんな自分勝手な思いを抱くことにまた苛立ち、
『ガキくさいな』
と自嘲する。
きっと、桐島は雰囲気に流されただけだろう。
きっと、最近の若い子は、性に奔放なんだ。
桐島はノンケだ、前に彼女がいたじゃないか。
それに、奇跡的にバイだとしても、一回り以上年の離れた自分が、相手にしてもらえるはずがない。
本宮は、自分にそう言い聞かせ、この10日を過ごしていた。
しかし、一度知った感触を求める欲望には逆らえず、本宮は桐島に声をかけた。
「桐島くん、週末に申し訳ないんだが、ちょっと手伝ってもらえるかな?」
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